テレビマン60人が答えた今の現場の偽らざる姿 編成や制作に苦労、営業面厳しく再編予測も

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編成や制作面での回答を読むと、各局が対応に苦心している様子が汲み取れた。「番組の新規収録とロケの中止(生のみ継続)」「報道以外は収録がとまっている」など、報道以外の番組が作れない現状がうかがえる。その報道も「班を作り、フロアを分けて仕事」「ニュースを継続するため2班体制になっている」などから班を分けてリスクヘッジしていることがわかる。「報道ステーション」富川悠太アナの感染は全国の放送局の危機感を高めたことだろう。

現場の苦境が伝わってくるコメントの数々
(出所)筆者作成

報道以外の担当者の苦悩もうかがえる。「コンテンツ不足。番組編成はアーカイブ放送」「番組のストックがなくなったあとに備えて、再編集ものや再放送可能なソフトを手当てするのが目下の業務」など当面はアーカイブの編集版でしのぐしかない。「緊急事態宣言地域ではないことで、番組ロケがいつまでできるのか不安が高まっている。」「地方都市においても飲食店はじめ店舗紹介、学校関係取材等が難しくなっている。」などの回答から、その傾向が感染者の少ないエリアにも広がりつつあることも伝わってきた。

先行きが見えないスポット広告市場

もう一つ気になる営業面では、息が詰まる回答が多かった。「営業活動がままならないうえにキャンペーン中止などで売り上げ激減」「視聴率は上がっているので収容枠は広がるが、実需がないのでご覧の通りAC(編集部注:公共広告)と番宣だらけ」などなど生々しい回答が続く。今後についても「スポット市場の先行きがまったく見えない」「経済が活性化しない限り、広告(放送)産業は疲弊する一方」と悲観論が多い。「10月以降の発注減の拡大、外出自粛によりネット広告へのシフトが加速される可能性」を指摘する回答もあった。

一方「連日の自治体の会見等でライブ配信の需要が」「ネット中継の知見が高まる効果は期待できる」との声もあり、「(Twitterの)ニュースアカウントのフォロワーが急増」なども考え合わせると、ネット上でのテレビの存在感も高まっているようだ。ネット活用はコロナ時代の放送局の一つのカギかもしれない。

二つ目の質問はこれからについて。「今後放送局はどうなっていくでしょう?コロナ禍が続いている間、あるいはその後をどうイメージしているかご回答ください」という、いささか漠とした質問だったが、みなさん実に真摯に答えてくれた。

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