ちなみに、VoLTEとはVoice over LTEの略で、LTEのデータ通信網を使って音声をやり取りする規格のこと。楽天モバイルは3Gのサービスを提供していないため、VoLTEがオフのままだと通信ができないというわけだ。iPhoneを取り扱っているキャリアのSIMカードだと、ここは自動で設定されるため、ユーザーが気づきにくいポイントと言えるだろう。
このままでもiPhone単体では通信できるが、インターネット共有(テザリング)が利用できない。次にやっておきたいのが、APNの設定だ。APNとはAccess Point Nameで、インターネットに接続するための出入り口のようなもの。標準のままだと空白になっているが、これだとインターネット共有が利用できない。
APNの設定は、上記と同じ「設定」の「モバイル通信」で行う。楽天モバイルの回線を選択したら、「モバイルデータ通信ネットワーク」を選択しよう。すると、APNを入力する画面が開く。ここに表示される「モバイルデータ通信」「LTE設定(オプション)」「インターネット共有」のAPN欄に「rakuten.jp」と入力すればよい。ユーザー名やパスワードは不要だ。対象のiPhoneであれば、これだけで楽天モバイルの回線が利用できるはずだ。
2. 楽天モバイルとau回線を見分けるには?
2980円でデータ通信が使い放題になる楽天モバイルだが、例外もある。同社が「パートナー回線」と呼ぶエリアがそれだ。新規参入直後から、楽天モバイル単体で全国を一気にカバーするのは難しい。そこで同社は、auを提供するKDDIとローミング協定を提携。楽天モバイルの基地局がない場所では、auにつながるようになった。参入当初から全国でつながるのは、そのためだ。
一方でauのエリアは、楽天モバイルにとって“借り物”にすぎない。ユーザーに使われれば使われるほど、楽天モバイルからKDDIへの支払いもかさんでくる。そのため、楽天モバイルはパートナー回線での高速通信を、月5GBに制限している(4月21日までは2GB)。容量超過後は、1Mbpsに落とされる。低速化後も、ニュースサイトなどを見るには十分使えるが、画像が多いと、表示に時間がかかる。
ただ、アンテナマークにはつねに「Rakuten」と表示されるため、ユーザーからは、楽天モバイルの自社回線なのか、au回線なのかがわかりづらい。Androidでは「my楽天モバイル」というアプリがあり、auローミング時にはその旨が表示されるが、iPhoneは公式対応端末ではないため、アプリも存在しない。このようなときに活用したいのが、「フィールドテストモード」だ。
もともとはエンジニアが電波状況などのパラメーターを見るためのモードだが、これを応用すれば、どちらの回線につながっているのかがすぐにわかる。フィールドテストモードは、電話アプリから呼び出すことが可能。電話アプリを開いたら、キーパッドを表示させて、「*3001#12345#*」と入力してみよう。番号が少々長いので、電話帳に登録しておき、コピー&ペーストで入力するといい。
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