管理人まで外出自粛?悩むマンション管理会社 ゴミ出しに清掃…住民の生活に直結
「居住者の皆様へ」
緊急事態宣言が出された今月7日、財閥系管理会社が管理業務を受託している都内のマンションには、管理業務を縮小する旨の貼り紙が掲示された。フロントからはコンシェルジュの姿が消え、ロビーはがらんとしている。管理人も受付業務や設備点検などが休止となり、法令上常駐が求められている防災センターにのみ人員を配置している。
管理人の派遣を停止
新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、管理人やコンシェルジュの派遣が停止されるマンションが続出している。「感染リスクを考慮すると、従来どおりの派遣は難しい」(大手マンション管理会社幹部)という判断からだ。
管理業務の休止に伴い、住民サービスも低下する見通しだ。マンション管理会社大手の長谷工コミュニティは、緊急事態宣言の期限である5月6日まで清掃員やコンシェルジュの派遣を停止し、管理人の業務も緊急時の対応などに限定する。同大手の東急コミュニティーも、共用施設の利用停止や修繕工事の延期を管理組合に打診すると発表した。
管理組合が開く総会についても、住民が同じ場所に密集することや、各マンションを担当する管理会社の社員が出社できないことから、管理会社は総会の延期や書面での議決権行使を要請している。区分所有法上は少なくとも毎年1回集会を招集しなければならないとされているが、法務省は「集会の開催をすることができない状況が生じた場合には,その状況が解消された後」でもよいとの見解を出した。
外出自粛が要請される中、各社は不要不急の業務を休止・延期することで対応を急ぐ。だが、唯一サービスを休止できないのがゴミ出しだ。収集車がゴミを回収する前に、管理人はゴミがきちんと分別されているか確認したり、収集場所までゴミを移動したりしている。タワーマンションなどで各階にゴミ置き場を設けている場合は、管理人や清掃員が各階を回ってゴミを回収する。派遣時間を短縮しても、ゴミ出しだけはなんとかこなしているというケースが多い。
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