アプラス、投資用不動産に「ずさん融資」の実態 価格水増しでも満額融資、金利は驚きの5.8%

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改ざんが問題となったアルヒに続いて、アプラスにも疑惑が浮上した(記者撮影)

住宅ローン融資会社アルヒが提供する「アプラス投資用マンションローン」において、融資を担当するアプラスが本来の融資手続きから逸脱し、物件価格が担保評価を大きく上回る場合でも、高金利の商品を組み合わせて満額融資を実行していたことが東洋経済の取材でわかった。

アプラス投資用マンションローンは、アルヒが融資の窓口となって書類の取り次ぎなどを行い、実際の審査や融資はアプラスが行う。この商品をめぐっては、販売業者が周辺価格の2倍程度に物件価格を水増しし、それに対してアルヒのフランチャイズ(FC)店社員が源泉徴収票などの審査書類の改ざんを指示したり、または第三者が改ざんしたことを知りながら、アプラスに融資を取り次いでいたりした疑いが浮上していた(1月31日配信「マンション不正融資『アルヒ関与』深まる疑念」)。

プレスリリースに書かれていない商品

ところが、融資を審査・実行するアプラス側においても、融資条件の説明や意思確認などを物件購入者に対して行わないまま、水増しされた物件価格に対して満額融資を行っていた。

アプラスが1月30日に発表したプレスリリース(編集部撮影)

アプラスはアルヒが取り次いだ書類をもとに、借り入れ希望額の審査や物件価格の妥当性を判断する。審査段階で担保評価が物件価格を満たせば、物件購入額の全額の融資を実行する。問題は、物件価格の一部しか融資が実行できないと判断された場合だ。

アプラスが1月30日に発表したプレスリリースには、申し込みから融資までの手続きが図解で示してある。だが実は、ここには示されていない商品が存在する。「ARUHI提携型サポートクレジット」がそれだ。物件価格が大幅に水増しされていれば担保割れとなるのは当然だが、それでもほぼ満額での融資が実行できた背景には、この商品の存在がある。

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