積水ハウス詐欺被害「封印された報告書」の驚愕

公開拒んできた「通常起こりえないこと」の真相

詐欺の舞台となったのは東京・五反田の旅館「海喜館」だった(記者撮影)

積水ハウスが2017年に東京都品川区の老舗旅館「海喜館」の土地購入に際して、詐欺師集団「地面師グループ」に計55億円をだまし取られた事件をめぐって、積水ハウスが第三者の協力を得て事実関係を調べ上げていながら、詳細をひた隠しにしてきた「調査報告書」の全容が『週刊東洋経済』の取材でわかった。

同事件は詐欺の被害額としては史上空前の規模で、マスコミは大きく取り扱った。

当時、事態を重くみた積水ハウスは弁護士や公認会計士による調査対策委員会を発足させ、「なぜ、こういう事件が起きてしまったのか」を綿密に調べた上で調査報告書を完成させた。ところがその報告書は、2018年1月24日の取締役会に提出されたのみで、社外に公表されたのは2ページ半の「概要」のみ。1年9カ月が経った現在も、積水ハウスは全文公開を拒んでいる。

積水ハウス地面師事件は株主代表訴訟に発展

積水ハウス地面師事件において、阿部俊則会長(事件当時は社長)をはじめとする経営陣に善管注意義務違反を問う株主代表訴訟が起きていることは、ほとんど報道されず、知られていない。その株主代表訴訟が今、大きな岐路にさしかかっている。調査報告書が一般公開されるか否かの瀬戸際にあるのだ。

『週刊東洋経済』10月12日(土)発売号はスペシャルレポート「積水ハウス地面師事件『封印された報告書』の全貌」で、調査報告書に記された驚くべき事実を報じている。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

きっかけは今年4月、大阪地方裁判所が積水ハウスに「調査報告書を提出せよ」と命じる判決を出したことだった。この判決に積水ハウスは反発し、即時抗告。「(調査報告書は)外部の者に開示することが予定されていない文書であって、開示されると個人のプライバシーが侵害されたり個人ないし団体の自由な意思形成が阻害されたりする」(積水ハウス側の意見書)といった理屈からだ。

だが大阪高等裁判所は7月、積水ハウスの抗告棄却を決定。ついに積水ハウスは調査報告書を裁判所に提出することとなった。ただ同時に、積水ハウスは「閲覧制限」をかけるよう裁判所に申請し、あくまでも公開を限定的にするよう求めた。10月11日現在も、報告書は閲覧できない状態が続いている。

積水ハウスが報告書の公開を頑なに拒むのは、そこに現経営陣が知られたくない事実が記されているからである。そこには何が書かれているのか。『週刊東洋経済』は調査報告書の全文を独自入手。裁判資料との照合と関係者への取材を通して事実関係を押さえた。

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