「高齢者お断り」の賃貸住宅が増えている理由 入居者を守るための法律が逆に足かせに

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賃貸住宅にとって、高齢者は「招かれざる客」となりつつある(撮影:今井康一)

「正直、高齢者に家を貸すことには躊躇してしまう」。都内の賃貸仲介業者はこう打ち明ける。高齢者だから、という理由だけで賃貸住宅への入居を拒まれる。そんな時代が訪れつつある。

全国宅地建物取引業協会連合会は2018年12月、会員に対して高齢者への賃貸住宅の斡旋に関する調査を行った。それによれば、高齢者への斡旋を「積極的に行っている」と回答した事業者はわずか7.6%。「諸条件により判断している」が56.1%、「消極的」が11.5%、「行っていない」が24.8%と、高齢者の入居に対して前向きでない回答が大半を占めた。

不動産業者は何を懸念しているのか。調査から浮かび上がったキーワードは、「認知症」と「孤独死」だ。

高齢者トラブルを懸念

認知症については、前述の調査での自由記入欄にて「バルコニーでの放尿」「(入居者が)パニック症候群で警察を呼んだ」など、家主や管理会社が高齢者の対応に手を焼く様子が伺える。認知症の高齢者による奇行は近隣住民との摩擦を起こしやすく、結果的に同じアパートやマンションの別の入居者の退去を引き起こしてしまう。

孤独死も悩みの種だ。遺品整理が必要になるほか、発見が遅れれば、室内の汚れや異臭を取り除く特殊清掃が必要になる。加えて孤独死が「事故物件」にあたると考える大家や管理会社は多く、通常の賃貸物件に比べて入居者に敬遠されるため、家賃や契約条件で譲歩せざるをえない。

賃貸住宅でのトラブルで累計2300件以上訴訟手続きを行い、高齢者の賃貸住宅への入居が困難になることに警鐘を鳴らした『老後に住める家がない!』の著者でもある司法書士の太田垣章子氏は、「現在の法制度では、こうしたトラブルに対応できない」と指摘する。

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