スノーピーク、「32歳3代目新社長」でどう変わる 「世襲批判」「コロナ」、逆風下での出発
――経営者として山井太会長はどのような存在ですか?
経営者として、誰より信頼しているのが父だ。長年気にかけてきた社員が大きな成果を上げて報告する会議で、感極まって号泣するような人間味あふれる人。
私と意見がぶつかることはあるが、スノーピークとして目指しているところは同じ。たとえぶつかっても、「親父が言っていることもわかるな」と考え、次の日にはころっと仲直りしている。
この考え方は、子どもの頃からの山井家の教育方針の賜かもしれない。失敗したり問題が起きたときには、「他責化ではなく、自責化しなさい」と言われていた。人のせいにせず、「自分のこういうところが悪かったかな」と考える癖がついている。
父と私は「いいライバル関係」
――今後、太会長と新社長の役割分担は?
会長はアメリカ市場の開拓、私は社長として日本の事業を拡大させていくという役割分担でやっていく。父がアメリカで売り上げを伸ばしたら、負けるのはくやしいから私はそれ以上に頑張ろうと思う。いい意味でライバル関係にあると思っている。
私がスノーピークに入社して新たにアパレル事業を立ち上げ、半年で売上高1億円の事業にしたことは、父にも刺激を与えたようだ。以前、ふとした瞬間に「おまえは俺が30歳のときよりすごいからな。よく頑張っているよ」と言われたことがある。
スノーピークで働く全員を家族だと思えて、その家族のために頑張りたいと思えるのは、オーナー企業ならではだと思う。オーナー企業で働けてよかった。
上場企業として、コミットしたことに対して結果を出すのは当たり前。人として正しいかどうかを基準に判断していける経営者になりたいと思っている。
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