「スノーピーク」が地域体験ツアーを行う事情 キャンプ「ブーム後」にらみ、新事業に布石
東北にある中世の荘園遺跡が8月初旬、一夜限りのキャンプ場に変身した。
世界遺産「平泉」から車で30分ほどのところにある岩手県一関市の骨寺村荘園遺跡で、アウトドア用品メーカーのスノーピークが地元の文化や産業に触れるテント泊のツアーイベントを開催した。
イベントには東京のキャンプ愛好家夫婦のほか、これが初めてのキャンプだという友人同士など男女約20人が参加。同社の山井梨沙副社長はイベント開会式で、「日本各地で脈々と受け継がれてきた産業、技術、伝統や芸能文化などがなくなっている。継承し続けてほしいという思いから、モノと人、自然と人、人と人とをつなぐ体験型プロジェクトを始めた」と狙いを語った。
26歳でアパレル事業を立ち上げる
スノーピークは、新潟県三条市に本社を置く1958年創業の会社だ。山井副社長の祖父は創業者の山井幸雄氏、父親は現社長の山井太氏だ。初代の幸雄氏が金物問屋から登山用品や釣り具用品販売に発展させ、1986年に入社した太氏がキャンプ用品の開発を開始。1980年代終わりから始まったオートキャンプブームを追い風に業績を拡大させた。
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