尾崎会長は、30日早朝の午前7時過ぎ、日本医師会の横倉義武会長にFacebookのメッセージ機能を使ってメールを送った。
「一両日中に、緊急事態宣言を出すよう政府に進言してください。私は猶予はないと思います。マイルドな自粛要請では、もう無理です。(東京都)知事には今日電話して早めの日本型ロックダウン(都市封鎖)を改めて要請しました」
すぐに横倉会長から応答があった。
「検討してみます」
その日の午後、日本医師会の釜萢敏常任理事が臨時に開いた記者会見で、緊急事態宣言についてこう述べた。
「個人的には(宣言を)出していただいて、それに基づいて対応する時期ではないかと思う」
東京の感染者は日を追うごとに膨れ上がっている
これに続いて4月1日に定例会見に臨んだ横倉会長は、病床数が不足しつつある東京の現状を踏まえて「医療危機的状況宣言」を出すと同時に、緊急事態発言の発動を政府に要望したことを明らかにした。尾崎会長のメールが功を奏したのかどうかはわからない。だが、尾崎会長は、横倉会長が意を酌んでくれたのだと思っている。
都内の感染者数は、3月23、24の両日には、感染者数がそれまでの10人前後から、16人、17人と増え、25、26日は40人台、28日には63人、31日には78人、そして4月2日には97人と急増している。病院の院内感染や、夜の街がクラスターとなって検査件数そのものが膨れ上がってきたためでもあるが、不気味な増え方だ。
筆者自身、強権的な緊急事態宣言は慎重にしたほうがいいと考えている。が、一方でウイルスとの闘いには、人々の行動が縛られることは覚悟しなければならないことも承知している。まず優先すべきは人命であり、そのために医療態勢を守ること。尾崎会長の「現場を見に来い!」という強い怒りの根源には同意せざるをえない。
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