“ハリボテ”人間はリーダーにはなれない 「建前上の自分」で生きていくのには、限界がある 

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ハーバードのエリートたちも、かっこよく”ハリボテ”状態になった自分の殻を破ろうとしている(写真はハーバードビジネススクール)

「あなたたちハーバードビジネススクール(HBS)の学生は、自信に満ちあふれているように見えるが、本当は臆病者にすぎない」「あなたはいくら稼いだら働くのを辞めるのか?」「あなたが人生で行った最も非道徳的な行為は何か?」

こんな刺激的な言葉で生徒たちを“挑発”するのは、HBSで大人気の授業「Authentic Leadership Development(真のリーダーシップ開発)」の教授だ。普段は「ああ言えば、こう言う」口達者なHBS生たちだが、この教授の前では口をつぐみ、教室はシーンと静まり返る。今回は、この一風変わった授業の内容と、リーダーシップとは何かついて考えてみたい。

赤の他人に赤裸々な質問

この授業で最初に出された課題に、僕は面食らった。というのが、「街中で出会った赤の他人にインタビューをし、彼らの人生を聞いてくること」という内容だったからだ。

そのとき渡された質問集には、「人生における後悔は? 10年後の自分の将来像は? 今の心配事は? 人生でいちばん大切な人は? 何をしているときがいちばん幸せと感じるか?」など、普段なら友人知人はもちろん、赤の他人には間違っても聞かないような質問がずらりと並んでいた。

白状すると、僕はこの課題がイヤでイヤで仕方なかった。相手がどんな反応をするかわからないし、相手に恥ずかしい思いをさせてしまうかもしれない。

いっそサボってしまおうかと迷ったが、「きっと得るものがあるはず」と心を改め、課題提出日のギリギリ前日に、たまたま乗ったタクシーのドライバーにインタビューすることにした。彼は、最初は僕からの唐突な申し出に驚いていたが、いったん話し始めると、スラスラと自分の生い立ちを語り出した。

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