「マナー」が難関私立中の入試で問われる理由 家庭で身に付けておきたい学習の土台とは

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最近の難関中学校での入試問題は、勉強ができるかだけでなく、マナーやルール、常識、人の気持ちを酌み取ることができるか、ということも問われるように(写真:IYO/PIXTA)
年々激化している中学受験。子どもの将来のためにも、早いうちから受験を意識した学習を始めているという家庭も少なくありません。しかし入学希望者の増加に伴い、入試問題の質も変化してきています。とくに難関中学校は、ただ勉強ができるだけでなく、マナーやルールを守れるか、人の気持ちを酌み取ることができるか、常識を持っているか、といった「大人の世界でも通用する人間力を持った子ども」を選抜するようになってきています。
試験に面接がない学校ではどうやってそれを測るのか? と思われる方もいるかもしれませんが、これらの力を問う問題は、ペーパーテストにも表れているそうです。
定員180名の灘中学校に、男子塾生300余名中56名が合格という実績を誇る、難関中学受験専門塾・希学園の学園長である黒田耕平氏によると、今の中学入試で求められている力は、机上の勉強だけでは身に付かず、日常生活と密接につながっているといいます。家庭のしつけの中でも大切な「ルールやマナーを守る」「相手のことを考えた行動をする」といったことが、子どもの力を伸ばして中学受験を突破するために、なぜ必要なのかを解説してもらいました。

パターン学習では太刀打ちできない中学入試問題

近年の傾向として、いわゆる難関校や名門校と呼ばれている中学校であればあるほど、入試問題が明らかに難化してきています。

もともと中学入試の問題は、小学校で習う内容の応用問題のような形で出題されてきました。しかし、多くの塾では、入試問題を研究してその対策を講じることが仕事なので、繰り返し学習で突破できるようにパターン化を進めます。

そうすると、本質的な学力や考える力がなくても機械的に問題を解くことができるようになるため、「学校が求める子ども」ではなく、「パターンを覚えて身に付けた子ども」が合格してしまうのです。

そこで、名門中学や難関中学と呼ばれる学校は、そうした対策をしてきただけでは身に付かない力を測りたいと考え、努力量を量る問題だけでなく、その場で自分の力で解き方を考える、本質的な力を問う出題をするようになってきています。

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