先行き不透明で採用も混迷--どうなる? 就職戦線2011
【4・採用形態】採用の柔軟化が停滞 外国人の採用も後退
今年の採用では、採用数の減少だけでなく、新卒採用の柔軟化(フレックス化)の動きは一段落した。フレックス化とは、第二新卒の採用や有期契約、勤務地限定採用、通年採用など、従来の一括採用ではなく、広く門戸を開放していく取り組みだが、買い手市場への転換によって87%(昨年67%)の企業が、春の採用シーズンに一斉に採用活動を行うという従来型採用に戻った。これにより、採用時期に就職できなかった学生が大量に未就職者になり、大学を中退した若者や自分なりの働き方を希望する若者たちが企業(特に大企業)に入る道が狭められた。
留学生や海外の大学生を新卒の枠で採用するのも、採用柔軟化の一つだが、この分野でも昨年までの勢いがなくなった。過去3年間で外国人留学生を新卒採用枠で採用したと回答した企業は、昨年より6%減の59%。11年卒で採用するという企業は7%減の40%となった(未定が30%から38%に増加)。
企業にとっては、グローバル人材の採用や人材の多様化が課題だが、これを外国人材に求めるより国内人材を育てていく方向のようだ。一方、新たな動きとして、国内で学ぶ留学生だけでなく、直接、中国や韓国の大学に求人を依頼、現地で選考試験を実施、新卒の枠として採用する企業もある。「新卒採用として国籍を問わずに採用」(化学)というスタンスが見え始めたのも新たな変化だろう。