パワポ資料50枚より人を動かす「うまい伝え方」 結局、ジョブズのプレゼンは何がすごいのか

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ロジックより感性にアプローチする感性重視の伝え方とは?(写真:kuppa_rock/iStock)
ビジネスで何かを伝えようと思ったら、分厚いプレゼン資料を用意しロジカルに話すのがこれまで常でした。
しかし実際、人は感情を持った非合理的な存在。人を動かしたいなら、ロジックより感性にアプローチする伝え方が重要になる──そう語るのは、『感性思考』を上梓するビジネスデザイナーの佐々木康裕氏。
「iPhoneが爆発的に普及したのは、スティーブ・ジョブズの伝え方が秀逸だったことも大きい」と語る同氏に、感性重視の伝え方を聞いた。

新しいものを人にわかってもらうために

一方的に自分が知ってもらいたいことを伝えるだけではコミュニケーションは成立しません。聞き手が理解するような伝え方をするのは基本中の基本です。

さらに、聞き手が「この製品はいいな」と心動かされるようなプレゼンにしないと、コミュニケーションが取れていないことにもなります。

こうした論理思考だけでは乗り越えられない問題に対応するため、私は留学先にMBAを選ばず、米国のデザインスクールに留学したのですが、そこで学んだのは、人の感性を重視した、本当に聞き手に伝わるプレゼンでした。メタファー&アナロジーという手法です。

私が通ったデザインスクールでは、キム・アーウィンという准教授が教えるMetaphor And Analogy(比喩と類推)という授業がありました。メタファーとは比喩や暗喩、アナロジーとは類推を意味します。類推とは似ている点をもとにして、他を推し量ることです。

その授業で教わるのは、企業が考える新しいサービスやプロダクト、つまり「新しい概念」のものをどのように人に伝えるかという点です。

まだ世の中にない製品を、「これは新しい●●という製品です」と紹介しても、聞いている側は、それを受け取るための回路が頭の中にできておらず、伝わるべきメッセージが伝わらないことが多くあります。そこで、既存のもの、既存の概念を使いながら、何がどう新しいのかを伝える工夫が不可欠です。その際に使うのがメタファーとアナロジーです。

メタファーにしろ、アナロジーにしろ、相手がわかる表現を用いないと何も伝わりません。

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