パワポ資料50枚より人を動かす「うまい伝え方」

結局、ジョブズのプレゼンは何がすごいのか

新しい金融サービスをプレゼンするときも、「このUI(ユーザーインターフェース)にはこういう機能が3つ、ついています」「アプリとこう連携するんです」と説明したとします。皆がそれを聞いてすぐにピンとくるとは限りません。

そのとき、たった一言「これはお小遣い帳のようなものです」と言えば、相手は一瞬で理解できます。

「つまり、これは〇〇だ」の〇〇に当てはまる言葉をつねに考える習慣を身につければ、プレゼンで聴き手を引きつけられるようになると思います。

iPhoneが「iPhone」という名前になったワケ

それでは、どのように相手がわかるメタファーやアナロジーを選べばいいのか。

そのためには「参照フレーム(Frame of Reference)」という概念を利用します。

参照フレームとは、人が新しいものごとを理解する時に参照し、基準にするカテゴリーや分類を指します。

例えば、新しいプロダクトを市場に投入すると、消費者は「謎めいたその物体」を、既存のカテゴリーに分類し、手がかりを得ながら何とか理解しようとします(図表12)。

例えばiPadのようなタブレット型PCを初めて見た消費者は、それを巨大なスマートフォンと解釈するかもしれません。スマートフォンと解釈してくれるのならまだいいのですが、そういう参照フレームを持っていない小さな子どもや高齢者は、持ち運びできるテレビととらえる可能性もあります。

このように、消費者のなかでバラバラのイメージが広がってしまうと、企業が届けるメッセージもシャープさを失ってしまうことになります。

そこで、優れた企業は、うまく参照フレームを定義して、それを製品の形状や名称、パッケージに反映してから市場に投入します。

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