東大合格者の"合理的すぎる"英単語の超暗記法 ただ繰り返すのではなく「記憶に刺す」
その『鉄壁』を、11年ぶりに改訂しました。その背景にあるのは、東大入試の英語が、ここ数年で明らかに難化したことです。
要因の1つは「分量の増加」です。ただし、増えたのは語数ではありません。解答選択肢の数が増えているのです。
第3問「リスニング」や第5問「読解総合」の選択式問題では、以前は4択が標準でした。ところが、2010年代に入って徐々に選択肢の数が増え、2019年と、そして本稿執筆中に実施された2020年では5択が標準となっています。
「4択から5択へ」――一見すると地味な変化ですが、これが受験生を苦しめます。選択肢を吟味する時間が余計にとられ、ほかを圧迫します。スピードには自信があるという帰国生の優秀な生徒でも、今では120分という制限時間は「ギリギリ」です。
東大受験で求められるのは、より「直感的な」理解です。英語と日本語を対応させて、1つひとつ変換している時間はありません。先ほどのmeticulousのように、単語が持つイメージを瞬時に想起できる人が圧倒的に有利です。大切なのは「スピード感」なのです。
11年ぶりの改訂
そこで「スピード感」を重視し、「直観に訴えるイラスト」を約140点追加しました。
いくつか例を紹介しましょう。matureは「成熟した」という訳語を丸暗記するよりも、イメージを捉えるべき単語です。orderは多義語で、「命令、順序、秩序」といった複数の意味が重なり合います。これを1つのイラストに集約しました。parallel(平行の)はスペルが難しい単語ですが、これを「1発で覚える」工夫を凝らしてあります。
実を言うと、このような「仕掛け」の解説は、本意ではありません。自分で気づいたほうが、より記憶に刺さりやすいからです。本書を手に取られた読者の方には、ぜひ宝探しをするような感覚で読み進めていただきたいのです。
掲載単語も一部変更しました。時代の変化に合わせて追加したのは約65語。autonomous(自立した)、debris(残骸、ゴミ)などです。autonomous car(自律走行車)やspace debris(宇宙ゴミ)は、今後入試問題のトピックとして扱われる頻度がさらに増えるでしょう。
受験生のみならず、英語を学習するすべての人に、英単語を学ぶコツをつかんでもらえたらと思っています。
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