専業主婦は、「億ション」よりも贅沢だ 30代「当たり前の幸せ」のリアル【結婚とおカネ】編

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そうなってしまう理由も、見えてきました。どうも、多くの人が、親世代の「当たり前」の生活を、何も考えずに踏襲してしまっているようなのです。その結果、身の丈を超えた生活をしてしまい、老後におカネが貯まっていないという未来に突き進んでいるのです。

要は、「当たり前」を追い続けているため、みんな、おカネを使いすぎているのです。

こんな人生が「当たり前」と思っていませんか?

ここでいう「当たり前」とは、次のようなものです。
・適齢期が来たら、しかるべき相手と結婚して家庭を持つ
・結婚して何年かしたら、子どもを作って親になる
・男性の場合は一家の大黒柱として家族を養い、女性の場合は主婦として家を守る
・「自分たちの城」として、マイホームを構える
・一人前の大人のたしなみとして、各種保険に加入する

こういった生活は、僕たち親世代の多くがやってきたことですが、長引く不況、上がらない土地価格、厳しい財政事情、少子高齢化などを考えると、僕たち世代がこれを踏襲するのは、ほとんど無理です。これが、連載タイトルに「親より豊かになれない時代」とつけた理由です。

もちろん、各種報道で日本経済の厳しさを知っている今の30代の人たちは、頭ではこの現実を理解しているのも事実です。特に、「今どき専業主婦なんて」と思った人は多いでしょう。でも、知っているのと、実際、自分がその立場に置かれたときの意志決定は別問題です。いざ結婚して子どもができたり、家を買おうというライフステージに達すると、親世代がやってきた「当たり前」を踏襲してしまう人がとても多いのです。僕はそういうご家庭を、いくつも見てきました

この連載では、親世代の「当たり前」が、すでにたいへんな贅沢になってしまっていることをあらためてご紹介し、僕たちが「親より豊かになれない時代」をどう生きていけばよいのか、そのコツをご紹介します。

前置きが長くなりました。第1回目の今回は、「結婚とお金の当たり前」について、ご説明します。

専業主婦は、億ションよりも贅沢です!

「お父さんはサラリーマン、お母さんは専業主婦」という家庭は、僕たちの親世代ではきわめて当たり前でした。近年では専業主婦世帯は減少していますが、それでも厚生労働省「若者の意識調査」によると、女性の34.2%が「専業主婦になりたい」(「どちらかといえば」含む)と答えています。専業主婦願望、いまだ健在といったところでしょうか。

そのこと自体のいい・悪いについて発言する立場ではないのですが、ファイナンシャルプランナーとして、一言、申し上げたいことがあります。

それは、専業主婦は「究極の贅沢」だということです。

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