子どもにどんどん読書をさせるべき意外な理由 読書が子どもにもたらす最大の意義とは?

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「うちの子は本がすごく好きなのですが、国語が全然できないのはなぜでしょう?」というご質問もあります。

これは多くの場合、「引っかからない」読書の仕方をしていることが原因です。簡単に言うと「読み飛ばしている」のです。

自分がわかる部分だけを読み、読めない漢字や意味のわからない言葉は無視している。読書をしているようでも、なんとなく筋をたどっているだけで、自分なりの考え方でしか文章を読んでいない子どもが多くいるのです。

逆に、国語ができる子どもは実は「引っかかりながら」読んでいます。例えば「主人公は、何で今こんなことを言ったのだろう?」とか「この言葉の意味は、何だろう?」といった具合に。読み方が全然違うのです。

引っかかりながら読めるようにするには?

では、引っかかりながら読めるようにするには、どうすればよいのでしょう。私が、多くの子どもたちの読書を通した「学び方」を見てきた経験から言えることは、保護者の方もその本を読み、子どもと感想を話し合うのが最も効果的だということです。

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話し合えば、理解できていない部分や言葉が必ず見えてきますから、「わからないところがあれば聞いてね」とか「こう読むほうが面白いよ」といった言葉をかけつつ、大人と同じように文章から作者の意図をくみ取ろうと考えながら読む感覚に近づける努力を一緒にしてあげることもできます。

なかなか近道はありません。でも、「大人が関わる読書」をすればするほど子どもは着実に正しい読書ができるようになります。

インターネットの普及で、知識を得ることは簡単になりました。知識を得る手段としては、もはや読書は非効率な存在かもしれません。しかし、知識は「経験」になってはじめて身に付きます。

より多くの経験が必要な子どもにとって、「読書」でたくさんの言葉に触れ、時間をかけながら書き手の想いや話の流れを読み取ることで、知識が経験に変わっていきます。心を育む「疑似体験」ができる読書は、単なる机上の学習以上に重要なものだと言えるでしょう。

黒田 耕平 希学園学園長

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くろだ こうへい / Kouhei Kuroda

1975年兵庫県伊丹市生まれ。大阪大学在学中より塾講師業に携わり、希学園の算数科講師として、灘中をはじめとした最難関中学校へ多数の合格者を輩出。2009年より希学園学園長に就任した後も、経営トップと二足のわらじをはきつつ、低学年から灘中受験を目指す6年生まで幅広く授業を担当。自ら生徒指導の第一線に立ち続けながら、塾生に一生懸命にやりきることの大切さとその先にある合格・成長の喜びを伝え続けている。著書に『未来につなぐ中学受験』(クロスメディア・パブリッシング)。2015年より神戸新聞にて教育・受験コラムを連載中。

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