中国36歳コロナ患者が「退院後に死亡」の顛末 武漢のコンテナ病院は退院を一時ストップ

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あるベテランの重症医学専門家は、今も武漢では多くの患者が病院で治療を受けており、重症患者が多く、病状は非常に複雑で深刻だと分析していた。財新記者に対し、「一部の患者はすでに核酸が何度も陰性化している。退院患者の管理を適切に行うべきだ」と語る。 

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2月27日、山西省の80歳の姚は血漿治療を受け、治癒を宣言された後に死亡した。高齢の姚は、1月20日に家族で武漢から山西までドライブし、2月7日に新型肺炎と診断された。9日に他の患者の回復期血漿を輸血した後、胸部レントゲン検査で肺部の炎症が顕著に改善するなどしたが、その18日後に亡くなった。 

姚の死亡当日、山西省は6日連続で新たな確定患者がおらず、死者もゼロだったと発表。同省の衛生健康委員会は、「姚氏の新型肺炎は一度治癒し、退院手続きも済んでいた。しかし高齢で、ほかの基礎疾患もあり、その後また入院して治療を受けたが、命を救うことはできなかった」と述べた。 

黄金律とされる核酸検査の限界

退院患者の管理に関心が集まっている。

武漢市江岸コンテナ病院は3月3日、患者らに対し、「市の防疫指揮部による最新の通告によると、最近退院した患者の中に再発者が比較的多く、再入院のケースが生じている」との緊急通知を出した。同病院は再発を減らし、”ゼロ・リターン”の目標を達成するため、退院予定の全患者の血液をその日のうちに採取し、ウイルス抗体Ig−MおよびIg−Gの検査を行い、完治での退院を保証することを決めた。 

一部の専門家は、抗体検査を退院時に行うことで核酸検査と補い合い、正確性を高められると考えている。一方、核酸検査は今でも新型肺炎確定診断の黄金律となっているが、取り扱いのハードルは高い。

危重症医学専門家であり中国医学科学院院長の王辰は2月5日、新型コロナウイルス感染の核酸検査は「陽性率が30~50%しかない」と公言。この発言が議論を呼んでいた。現在の核酸検査は、通常は連続して何度も実施して初めて、真実に近い結果が得られるが、それでも偽陽性は避けられない。 

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2月28日午後、国務院(訳注:日本の内閣に相当)の新型肺炎に関する記者会見で、国家衛生健康委員会医政医管局監察官の郭燕紅は、「退院患者が核酸の再検査で陽性となるケースが、一部の省で報告された」と説明。さらに、「新型コロナウイルスは新しいウイルスであり、その発症メカニズムや疾病の全貌、発症後の特徴はさらに深く研究する必要がある」と述べた。

「われわれは退院患者の管理を一層強化し、14日間の医学的観察を要求すると同時に、専門家チームを組織してさらなる研究を行い、疾病の発生・発展・転帰(訳注:病気が進行して行きついた結果)の全プロセスに対する認識を一段と深めなければならない」(郭燕紅)

武漢のある病院の放射線科医は、李亮が退院後に亡くなったのは「(退院の)基準が甘かったからではないか」と分析。彼の病院でも、再入院後に死亡した人もいるという。「個別事例であり、新型肺炎が直接の原因かどうか定かではないが、医学的見地からすると、このような患者を研究する価値は非常に大きい」。

(財新記者:苑蘇文、包志明、黄雨馨)

※敬称略。原文は3月5日の現地時間14:58配信

その後削除され現在は非公開

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財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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