あるベテランの重症医学専門家は、今も武漢では多くの患者が病院で治療を受けており、重症患者が多く、病状は非常に複雑で深刻だと分析していた。財新記者に対し、「一部の患者はすでに核酸が何度も陰性化している。退院患者の管理を適切に行うべきだ」と語る。
2月27日、山西省の80歳の姚は血漿治療を受け、治癒を宣言された後に死亡した。高齢の姚は、1月20日に家族で武漢から山西までドライブし、2月7日に新型肺炎と診断された。9日に他の患者の回復期血漿を輸血した後、胸部レントゲン検査で肺部の炎症が顕著に改善するなどしたが、その18日後に亡くなった。
姚の死亡当日、山西省は6日連続で新たな確定患者がおらず、死者もゼロだったと発表。同省の衛生健康委員会は、「姚氏の新型肺炎は一度治癒し、退院手続きも済んでいた。しかし高齢で、ほかの基礎疾患もあり、その後また入院して治療を受けたが、命を救うことはできなかった」と述べた。
黄金律とされる核酸検査の限界
退院患者の管理に関心が集まっている。
武漢市江岸コンテナ病院は3月3日、患者らに対し、「市の防疫指揮部による最新の通告によると、最近退院した患者の中に再発者が比較的多く、再入院のケースが生じている」との緊急通知を出した。同病院は再発を減らし、”ゼロ・リターン”の目標を達成するため、退院予定の全患者の血液をその日のうちに採取し、ウイルス抗体Ig−MおよびIg−Gの検査を行い、完治での退院を保証することを決めた。
一部の専門家は、抗体検査を退院時に行うことで核酸検査と補い合い、正確性を高められると考えている。一方、核酸検査は今でも新型肺炎確定診断の黄金律となっているが、取り扱いのハードルは高い。
危重症医学専門家であり中国医学科学院院長の王辰は2月5日、新型コロナウイルス感染の核酸検査は「陽性率が30~50%しかない」と公言。この発言が議論を呼んでいた。現在の核酸検査は、通常は連続して何度も実施して初めて、真実に近い結果が得られるが、それでも偽陽性は避けられない。
2月28日午後、国務院(訳注:日本の内閣に相当)の新型肺炎に関する記者会見で、国家衛生健康委員会医政医管局監察官の郭燕紅は、「退院患者が核酸の再検査で陽性となるケースが、一部の省で報告された」と説明。さらに、「新型コロナウイルスは新しいウイルスであり、その発症メカニズムや疾病の全貌、発症後の特徴はさらに深く研究する必要がある」と述べた。
「われわれは退院患者の管理を一層強化し、14日間の医学的観察を要求すると同時に、専門家チームを組織してさらなる研究を行い、疾病の発生・発展・転帰(訳注:病気が進行して行きついた結果)の全プロセスに対する認識を一段と深めなければならない」(郭燕紅)
武漢のある病院の放射線科医は、李亮が退院後に亡くなったのは「(退院の)基準が甘かったからではないか」と分析。彼の病院でも、再入院後に死亡した人もいるという。「個別事例であり、新型肺炎が直接の原因かどうか定かではないが、医学的見地からすると、このような患者を研究する価値は非常に大きい」。
(財新記者:苑蘇文、包志明、黄雨馨)
※敬称略。原文は3月5日の現地時間14:58配信
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