だが、漢陽コンテナ病院の院長・楊星海は財新記者に対し、「患者の退院基準は国家の『指南』より厳しく、血中酸素飽和度も95%以上でなければならない」と語る。
「患者が退院できるかどうかは、通常は多くの審査を経る必要がある。まずは医療チームのトップらによる審査を経てから、われわれが専門家チームの判断を仰ぎ、彼らが問題なしと判断して初めて退院できる」(楊星海)。
「退院後の状況は把握していない」
2月26日午後4時37分、李亮は退院し(臨時の)隔離施設であるウィーンホテルに移送された。楊星海は、李亮の移送時の症状は軽かったとし、「退院後の状況は、われわれは把握していない」と話す。
李亮の妻である王梅は、夫がホテルに移された後、漢方薬の肺炎1号を毎日服用するよう医師からアドバイスされたと記憶している。しかし、彼はコンテナ病院から自ら肺炎2号を持ってきており、続けて数日間服用した。
2月28日、李亮は「口が乾く」と妻に告げはじめた。妻は「医師は夫に、口が乾くのは漢方薬を飲んでいるからであり、水をたくさん飲みなさいと言った。そのため夫は水をたくさん買い、果物も買って部屋で食べていた」という。
しかし3月1日になると、李亮は「食事をしたくなくなった。水を飲む量も少ない。ベッドの上にいると動きたくなくなって、ずっと眠い」と妻に言い始めた。
3月2日午前8時、妻は李亮にビデオ通話をかけたが、なかなかつながらない。検索サイトの百度(バイドゥ)でウィーンホテルの電話番号を探し出してフロントに電話し、医師に様子を見にいくよう依頼した。午前10時過ぎ、李亮はようやく妻のビデオ通話に応じる。画面には医師が現れ、「ご主人は精神的なプレッシャーがやや大きいかもしれない」と妻に伝えた。
李亮は「食欲がない。体温はわずか35度3分で、脈拍が弱くてだるい」と妻に話したが、その後、先に通話を切った。「舌が口にくっついたようなしゃべり方だった」 と妻は振り返る。最後の通話を終えた妻は同日午後にホテルまで呼び出され、「夫が死にゆくのをただただ見ていた」。
財新記者は、ウィーンホテルが公表している番号に電話した。警備員を名乗る者によると、李亮の死については、衛生健康委員会など当局に連絡しなければならないという。李亮とともに漢陽国博コンテナ病院を退院した人は多く、彼と同じウィーンホテルで隔離されている人も少なくない。
李亮の病状が再発に該当するかどうかはまだわからない。
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