ではNY市場に関して言うとコロナショックの影響はどれくらいの下落になるのでしょう。想定されていることとしては、新型コロナの影響がどうやら世界に広まり、世界的に景気停滞が起きるところまでは情報として織り込み済みのはずです。特に世界の4分の1を生産する中国の工場の稼働が止まるわけですから、中国で感染者数が大幅に拡大するだけで世界経済の停滞は避けられない。ここはわかっています。
ただし状況は2003年のSARSショックのときよりも悪いとしても、今回の爆発的な感染拡大は夏には終息するという想定の投資家も多い。今回のコロナショックは2020年1年間の経済への大打撃だととらえるのが市場関係者の中心的な考え方のようです。
戻したとはいえNYの株価はこわごわ
NYの株式市場はつい先日まで市場最高値を更新していた過熱状態だったうえに、それが恐怖をともなって急落しています。先週、いったん12%下げて、昨日戻した段階で計算しても、まだピークから8%下がった段階です。戻したとはいえNYの株価はこわごわと動いているというのが実感です。
そこで問題なのは「じゃあ日本の株価はどうなるのか?」ということです。
日本のほうがコロナショックはアメリカよりも早く始まっています。私が最初に新型肺炎の記事を書いたのが1月17日でしたが、その日が直近の高値で、現在はそこから3月2日の始値までに日経平均はマイナス13.6%下げています。いつものことですが、日本の株式のほうがアメリカよりも下がりやすい傾向があります。
この日はNYの反発を受けて株価は戻して3月3日の始値は3.8%増、しかしそこからまたずるずると株価は下げに転じています。
実はこれは微妙な兆候で、今後の新型コロナの動き次第ではNYと違って日本の株価はもっと下がる危険性がある。嫌な状況だと私は認識しています。
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