そのお店のオンライン予約をふとのぞいてみたら、予約が取れる日がありました。おそらくキャンセルが出たと思われる1日だけ、それも1テーブルだけですが、オンラインで予約が取れる状況になっている。「そういうことが起きているかもしれない」と思ってオンライン予約を見たのですが、実際にあのお店の席がわずかに空いている。これも異変です。
3つめの異変は月曜日の朝。オンラインで定期購読をしている『少年ジャンプ』の『鬼滅の刃』だけ読んでから出社しようと思ったら、なかなかサイトにつながらない。混み合っているからです。調べてみると学校が臨時的に全国休校になったのに合わせて、集英社が『週刊少年ジャンプ』の1号から最新13号までを無料公開しているのです。
これは「外出の難しい子どもたちに少しでも笑顔を届けるため」に急遽きめたことだといいますが、バックナンバーを10冊以上無料公開するのは過去なかった規模のことです。部数の減少に悩む少年漫画誌としてはファンを再び呼び込むチャンスにもなる英断だと思いますが、逆に言えばこれくらい思い切ったことをやることを編集部が決められるだけの経済事情も背景にはあったのだと思われます。
消費増税の影響も加わり景気は急悪化へ
さて、ここでいったん、マクロの景気情報を確認してみましょう。先月公表された2019年10~12月期のGDP速報で実質成長率が年率換算でマイナス6.3%と予想を悪いほうに大きく上回る下落だったことが波紋を呼びました。消費税の増税による消費減速が大きくきいているのは明白ですが、政府はこの段階では「台風の影響などもあり」という形であたかも一時的な景気減速のように説明をしていました。
しかし次回、5月に発表されることになる2020年1~3月期の数字は増税による消費停滞に加えコロナショックの影響が加わるので、ここも大幅な悪化を示す数値になるのは間違いないでしょう。ここまでに述べた3つの兆しだけではなく、日々観察しているミクロ経済の兆しは足元の景気は相当悪いほうにいきそうだという点では共通しています。
ではここで4つめの異変の話です。3月2日のNY株式市場のダウ平均は過去最高の1293ドルの上げ幅を見せました。上昇率は1日で5.1%と驚異的な上昇です。もちろん背景には過去1週間の急落があります。それまで高値圏を維持していたダウは先々週の金曜日から先週末までに歴史的な急落を見せてマイナス12.4%も下落しました。そこから週が明けて5.1%戻したということは、先週のコロナショックでの株式下落が「ちょっと行き過ぎた」と市場が判断したということです。
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