給食中止「食うに困る子」143万人の切実な事情

ある子ども食堂の「覚悟」と政府の「無策」

保育園児から大人までが集まり食卓を囲む「まいにち子ども食堂高島平」(東京都板橋区、記者撮影)

安倍晋三首相が打ち出した方針に沿った政府の要請を受けて、3月2日から小中学校や高校が休校に入った。休校に伴い給食も中止になっている。

貧困家庭の子どもにとってはピンチだ。普段は給食費を免除されているが、給食がなくなれば、昼食代を自分で負担しなければならない。その数は全国の小中学生合わせて143万人にのぼる。

「このままでは子どもが飢えてしまう」。東京都板橋区のNPOが運営する「まいにち子ども食堂高島平」は、休校の間も食堂を開くと決めた。感染防止を考えて苦渋したが、子どもから「やめられたらご飯を食べるところがない」と背中を押された。

だが、こうした「子ども食堂」はまれだ。多くは休校に歩調を合わせる。政府は何か具体策を考えているのだろうか。

「冷蔵庫は満タンに」

東京都板橋区のILDKのアパートの1室に「まいにち子ども食堂高島平」はある。板橋区では3月2日の午後から、小中学校が休校に。子どもたちは早速子ども食堂に立ち寄って、寄付されたケーキに手を伸ばしていた。

運営にあたる「NPO法人ワンダフルキッズ」理事長の六郷伸司さん(55歳)は、子どもたちを見遣りながら言った。

「明日から本格的に忙しくなりそうだから、とりあえず冷蔵庫は満タンにしておいたよ」

次ページ子どもの7人に1人が貧困家庭
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 今見るべきネット配信番組
  • 経済学で読み解く現代社会のリアル
  • 就職四季報プラスワン
  • 日本野球の今そこにある危機
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
コロナ時代の勝者と敗者<br>不動産 熱狂の裏側

実体経済の悪化を尻目に、国内外から熱い視線が注がれる日本の不動産。業界の雰囲気とは対照的に、上場不動産会社の株価は軒並み軟調です。コロナ後の新常態で誰が笑い、誰が泣くのでしょうか。現場の最新情報を基に不動産市場の先行きを展望します。

東洋経済education×ICT