全盲の19歳娘を育て「居場所」作る母のリアル 私は「地域で一緒に」という言葉に救われた
産まれてきた子どもに障害があったら、また子育てをするなかで障害があることが発覚したら、子どもの親は何を思い、どんなことに悩むのか。
リディラバジャーナルの連載「障害児の子育てのリアル」では、さまざまな障害のある子どもの親へのインタビューを通して、「障害児の親になること」の現状や課題を伝えている。
生まれつき全盲の娘を持つ岡田純子さんは、19歳になる長女が楽しく活動できる作業所をつくりたいという思いから、NPO法人を立ち上げた。今は視覚障害者への理解を広げるイベントなどを開催している。
どうやって病院から帰ったのか記憶がない
――娘さんの障害に気づいたのはいつ頃でしたか。
とくに妊娠中に何かあったわけではないのですが、娘は生まれつきの全盲でした。
生まれて数カ月すると赤ちゃんは、追視といって、動くものを追って眼球を動かすのですが、それを全然しなかったんです。見た目はいわゆる普通の赤ちゃんだったので、親としてはずっとおかしいなと思いつつ、でも大丈夫だろうと思っていました。
それでもちょっと心配だったので、3カ月健診の後ぐらいに小児医療センターに連れて行きました。目を診るときは、お医者さんがぱっとライトを当てますよね。そのとき、娘は瞬きもしないで、目を開いたままキャッキャしてたんです。
それで、あっやっぱり……と思って。
いろんな検査を経て、おそらく全盲だろうと言われました。その日は、どうやって病院から帰ったのか覚えていないですね。もう、わーわー泣いて。自分しか責めるものがないという状況でした。
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