粘り勝ちのファミリーマート、am/pm獲得の成算

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粘り勝ちのファミリーマート、am/pm獲得の成算

「拾う神」が現れた。13日、コンビニ3位のファミリーマートは、7位のエーエム・ピーエム・ジャパン(am/pm)の買収を発表した。来年3月をメドに合併、ブランドをファミリーマートに一本化する。合計店舗数は8700店と、2位のローソン(生鮮コンビニを除く)を急追する。

今年2月、7カ月に及んだ交渉の末、145億円でam/pm買収を発表したのはローソンだった。ところが、am/pmの商標権を持つ米エーエムピーエム・インターナショナルがブランド維持を強く主張したため破談に。対して、今回ファミリーマートの買収額は120億円。しかも、「米社と時間をかけて話し合い、ブランド統合でも合意できた」(上田準二ファミリーマート社長)。

交渉が本格化したのは7月。破談の危機もあったと関係者は明かす。だが、「am/pmの経営資源だけでは加盟店を守りきれない」(本多利範社長)という危機感に加えて、日増しに経営環境が悪化。米社の態度も軟化し、ブランド一本化を含めた合意にたどり着いた。

2008年12月期のam/pmの債務超過額は139億円に上る。それでもファミリーマートが120億円の値札を付けたのは、「首都圏でのドミナント店舗網に魅力があった」(上田社長)からだ。特に最大市場の東京で568店を持ち、合併後の都内でのシェアは31・6%と業界トップに躍り出る。

今後は80億円を投じて、12年2月までにブランド統一にとりかかる。関西、九州地区でのエリアFCを除く約870店のうち、約600のam/pmの店名を「ファミリーマート」に変更する一方、不採算店舗の約250店は閉鎖。同一商品の導入やインフラ統合などで、12年度にはam/pmの平均日商をファミリーマートと同程度にまで引き上げる計画だ。

店舗数が4万店を超え、既存店成長も頭打ちと、コンビニ業界は曲がり角を迎えている。業界の再編機運が高まる中、ブランド統一にまで踏み込んだ“荒治療”の成果が注目される。

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 (撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済)

高橋 志津子 東洋経済 記者

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たかはし しづこ / Shizuko Takahashi

上智大学法学部国際関係法学科卒。東洋経済新報社に入社後は、会社四季報、週刊東洋経済、ムック、東洋経済オンラインなどさまざまな媒体で編集・執筆を手掛ける

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