世界最大級の映画見本市「AFM」潜入リポート《ハリウッド・フィルムスクール研修記10》

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小



 5日目の『Variety』のトップを飾った記事は、“GAGA is Back”(ギャガが戻ってきた)。かつてインデペンデント業界・最大のバイヤーだったギャガが、数年の沈黙を経て、今年のAFMでは話題の良作を買い付けているというニュースでした。その中には、先に紹介した『ディストリクト9』も。

AFM期間中、このギャガの依田巽会長兼社長CEOと朝食をご一緒する機会にも恵まれました。依田氏は、私の通うAFI大学院へ多額の寄付を行っており、その一部が「Tom Yoda Scholarship」として奨学金となっています。奨学金を頂いている私を含む約10名のクラスメートが、サンタモニカの最高級ホテル「Shutters」に招待を受けました。

 東京国際映画祭のチェアマンも務められている依田氏。生徒一人ひとりの卒業製作の企画内容を熱心にメモされている姿を見て、「この方はビジネスの観点だけでなく、本当に映像文化の発展を真剣に考えているんだなあ」との印象を受けました。

ギャガは積極的な買い付けを行ったものの、総体としては「ヨーロッパは需要が戻ってきたが、日本はかつての勢いには程遠い」というのが業界紙の分析。

たとえば『ディストリクト9』は、南アフリカのアパルトヘイトの比喩(メタファー)として、エイリアンと人間の対立を描いた問題作。邦画では体験できないテーマと言えるでしょう。「洋もの」離れは時代の潮流とはいえ、私たち若い世代も、もう少し世界の良作にも目を向けたいものです。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事