世界最大級の映画見本市「AFM」潜入リポート《ハリウッド・フィルムスクール研修記10》
私が残り1年弱の留学生活で目指すべきはまさにそのレベル。映画業界で使われる単語や表現を頭に入れ、少なくとも映画に関してはネーティブと交渉ができる力をつけること。これを実現している、同じ日本人の方々にお会いしてその思いを新たにしました。
ハリウッドのセレブパーティに参加
AFMの期間中、サンタモニカ近辺にある映画館は通常の営業を中断し、新作映画の試写室へと姿を変えます。それだけでも足りず、ホテルの会議室にスクリーンを持ち込んで仮設の試写室も出来上がります。
私の仕事の1つは、勤務先の作品が試写される会場に行き、来場者から名刺を集めること。それを元にセールス担当は、どのバイヤーが興味を持っているかを把握し、作品の売り込みを図ります。
中には100人近いバイヤーが現れる話題作もありましたが、10人程度というケースがほとんど。ただし、そのうちの数人が買うだけでも試写のコストは回収できるわけで、来場者には映画のパンフレットを渡しながらあいさつをします。
AFMの一部としてではなく、別イベントとしてAFM期間中に新作映画のプレミア上映が行われることもあります。売り手側からすれば、一般観客で満員になった映画館や、観客の好反応をバイヤーに見せられるのは最高のプレゼンテーションなのです。
私の勤務先でもクリスティーナ・リッチ主演の話題作をプレミア上映。キャンセル待ちの一般観客でごった返す中、バイヤーさん用に良席を確保し、スムーズに誘導するのも重要任務でした。
■クリスティーナ・リッチ(中央)も来場
プレミア上映後には高級ホテルのペントハウスで、パーティが行われました。初上映を祝う晴れの場にはスタッフに加え、主演俳優たちも登場。当然、主要バイヤーも招待されます。
知り合いがほとんどいないうえ、ふだん貧乏学生生活にどっぷり漬かっている私にとってはまぶしすぎて非常に手持ちぶさたではありましたが、いわゆるハリウッドの“セレブパーティ”の雰囲気を感じられたのは、良い経験でした。