世界最大級の映画見本市「AFM」潜入リポート《ハリウッド・フィルムスクール研修記10》
11月上旬の1週間、サンタモニカは世界中からの映画関係者であふれ返ります。北米最大の映画見本市「アメリカン・フィルム・マーケット」(AFM)が開催されるためです。
約400社の製作・配給会社が合計1000以上の映画を出展し、世界中のバイヤーが買い付けにやってきます。サンタモニカビーチ沿いにある高級ホテル「Loews Hotel」の全室が、出展各社のミーティングルームとして姿を変えます。
AFMはその規模にもかかわらず、カンヌやベルリンといった映画祭に比べると一般的な知名度は高くありません。それは、カンヌ等の映画祭では一般のお客さんも入場可能なプレミア試写(映画の初お披露目)が大々的に行われニュースになる一方、AFMは映画の売買に特化し、業界関係者のみを対象としたコンベンションであるためです。
ただし、業界では、この不況下においても、「カンヌとAFMだけは足を運ばねば」と言われる重要なマーケット。この大イベントに大学院の研修の一環として、出展企業のインターンの立場で潜入することができました。
インターン先はAFMの最注目企業
そもそもの前提として、AFMで売買される映画は「インデペンデント映画」と呼ばれる作品群です。日本では「アート系」「単館系」と言ったほうがなじみ深いでしょう。