世界最大級の映画見本市「AFM」潜入リポート《ハリウッド・フィルムスクール研修記10》
非日常の場でのネットワーキングが重要
マーケットの存在意義は単に作品の売り・買いの場だけにはとどまりません。世界中から集まってくる業界関係者の情報交換・人脈づくりの場でもあります。
勤務先の上層部のスケジュールを見ても、「Lunch」に加え、毎晩「Drink」「Dinner」と分かれて2件の夜の会合予定が入っていましたし、ホテルのラウンジは毎晩パーティ会場のように人でごった返します。私も同じくインターンをしていたクラスメートと軽く一杯、とビールを頼んだらハイネケン1本で1000円もするのには閉口しました……。
私が住んでいる地域からAFMが開催されるサンタモニカまでは、平日は渋滞もあり車で1時間半。休日も含めての毎朝6時起床は夜型の私にはハードでしたが、仕事終了後には日本から来た映画関係者を誘ってディナーをしてみたり。街のお祭りムードが気持ちを高めます。
激しい交渉が繰り広げられているにもかかわらず、来場者が一様にリラックスしているように見えたのも、ホテルの裏に海が広がるこの立地によるところが大きいのでしょう。すでに1年以上ロサンゼルスに住んでいる私でさえも、街の魅力を再発見した1週間でした。
■サンタモニカの目抜き通りにもAFMのフラッグ
気になる日本勢の動向
AFMの会場にいても、当然ながらミーティングは密室で行われるため、取引の様子が耳に入ってくることはありません。そんな時に強い味方になるのが、エンターテインメントビジネスの専門紙。『Variety』『Hollywood Reporter』『Screen International』の3紙は、AFM特別版と題して毎日特集を組み、会場では無料配布されます。