小中学生にスマホを買う親が絶対知るべき基本 「スマホを使わせない」よりもっと大事なこと

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大多数の中高生がスマホを持つ現在の状況では、持つか持たないかよりも、どのように使っていくかという議論のほうが建設的かもしれません(写真:プラナ/PIXTA)

※石田勝紀先生へのご相談はこちらから

小6の子どもがいます。中学生になるにあたり、スマートフォンを買ってほしいと言われています。持つことは問題ないと思っているのですが、周囲の方々を見ていると、スマートフォンを持っても、ゲームばかりしていたり、常に携帯していて手放せない状態になってしまったりしていることを見聞きして、不安になります。子どもにスマートフォンを持たせるうえで、どのような点に注意したらよいでしょうか。
(仮名:田崎さん)

小6のお子さんにスマートフォン(以下、スマホ)を与えようか考えるご家庭は少なくないでしょう。中学生になるとスマホの所有率が大幅に引き上がるため、この節目に持たせる家庭も多いようです。

2018年の内閣府の統計データによると、中学生で約70%が、高校ではほぼ100%がスマホを持っており、事実上、日本の大多数の中高生が持っていると考えていいでしょう。このような状況の中、スマホを持たないという選択はレアケースとなっています。

中高生のスマホの使用目的は、動画、ゲーム、コミュニケーションの3つが上位を占めます。高校生になるとコミュニケーション目的が第1位となり、コミュニケーション手段としてスマホでSNSを使うのが通常のあり方になっていると思われます。

こうした中では、持つか持たないかの議論よりも、どのように適切に使っていくかという議論のほうが建設的かもしれません。

「子どもがルールを守らない」?

筆者が日頃受ける相談の多くは、すでに子どもがスマホを持っていて、スマホやゲームばかりして一向に勉強しない……という内容です。それだけに、スマホを持つ子どもへの対応は、持たせる前に知っておくことはとても大切なことです。

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筆者はゲームやスマホに関しては、基本的に否定派ではなく、肯定派ですが、その理由は、特に否定する理由が見当たらないからです。適切な約束事を作り、ルールの枠内で活用できるのであればまったく問題はないと考えているからです。

ところが、そのルールに問題があります。これまで多くのご家庭の状況をヒアリングしたところ「ルールは決めていて、ペナルティも決めているが、子どもが約束を守らない」と親が悩んでいるケースが大多数でした。

実はここに大きな落とし穴があります。それは「子どもが約束を守らない」という部分です。詳細に観察してみると、実際は逆であることが見受けられたのです。

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