子供のスマホデビュー、知らないと怖い基本 いじめ被害や依存症などのリスクには要注意
「子どもの進学(進級)に合わせてスマホをプレゼントするつもりです」
毎年4月になると、保護者のそんな声をよく耳にする。4月は子どものクラスメイトもスマホを持ち始める季節。まわりが持てば、当然自分も持ちたくなるのが子どもの心情である。さらに子どものスマホ利用率も年々、増加している。
内閣府が2018年2月に発表した「平成29年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、2017年のスマートフォン利用率は、10歳以上の小学生が29.9%(前年度27.0%)、中学生が58.1%(前年度51.7%)、高校生が95.9%(前年度94.8%)だった。
小学生なら3人に1人、中学生なら2人に1人、高校生ならほとんどの子がスマホを持っている。「いつから子どもにスマートフォンを持たせるか」は、この世代の子を持つ保護者の大きな悩みだ。
今回は、「子どものスマホデビューに適切なタイミング」から「スマホデビュー時の具体的な注意点と対策」までをお伝えしたい。
子どものスマホ利用にトラブルはつきもの
「LINEがやりたいからスマホがほしい」と子どもからねだられるケースはとても多い。「無料でゲームができるからスマホを買って」「みんなが持っているから、自分も持たないといじめられる」と言われることもある。しかし、多くの保護者がそこで躊躇するはずだ。
保護者が躊躇してしまう理由はたくさんある。端末代や月額料金がかかるという金銭面の問題はもちろん、子どものスマホやSNSでのトラブルが頻繁に報道されていることも理由だろう。スマホにはカメラ機能があり、インターネットに接続しやすく、SNSとも親和性が高い。判断力が低い子どもが使えばトラブルにつながることは容易に想像がつく。
保護者との連絡用にいきなりスマホを買い与えるケースもある。しかし、小学生のうちにスマホを持つ必要性はあまりない。実際、低・中学年の間は、キッズケータイやGPS端末を与えられている子どもが多い。このような端末が選ばれるのは、保護者と連絡が取れ子どもの居場所はわかるが、知らない人とはつながれないという利便性からである。
子どもが熱心にスマホをねだるようになるのは、都心部在住の早い子で小学校中高学年、一般的な子で中学生から高校生頃が多い。特に周囲が持ち始めれば持ち始めるほど、ねだるようになる。保護者が迷い始めるのもこのくらいの時期からである。筆者も、10代の子を持つ保護者から相談を受けることは多い。
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