「映画ビジネスを学ぶなら、絶対にロサンゼルス」な理由《ハリウッド・フィルムスクール研修記9》
この連載を始めてから、どこからか私の連絡先を見つけてコンタクトをして来てくれる人が増えました。その中には、米国で映画ビジネスの勉強を志す方もいらっしゃいます。
やり取りをする中で必ず聞かれるのが「ニューヨーク(NY)とロサンゼルス(LA)、どちらが良いと思うか?」という質問です。この問いに対して私はつねに、「絶対にLA!」と強く言い切っています。
理由は明快で、業界の最前線で働いている人の数が圧倒的にLAが多いためです。ネットワーキングの機会も、授業・講演の機会も圧倒的に勝っています。この1年でAFIに講演に来た俳優だけを例に取っても、クリント・イーストウッド、マイケル・ダグラス、ショーン・コネリーが名を連ねます。
手前みそになりますが、私も受験時にはNYの学校を受験し、アイビーリーグの大学院から合格通知をもらいました。片や現在通っている大学院は一般的な知名度はほぼゼロ。会社の同僚からも「その学校、あやしいね」などと嘲笑を受け、寂しい思いもしました。
現在、この選択に対して100%納得できているのも、大学院自体のみならず、「ロサンゼルス」という立地から享受されるメリットによるところが大きいのです。今回はその一例として、先日参加した、LAならではのイベントを紹介したいと思います。
エンターテインメント弁護士500人が集結
10月17、南カリフォルニア大学敷地内で「Lemons to Lemonade: Squeezing the Upside in Troubled Economic Times」と題されたセミナーが開催されました。ちなみにタイトルの意味には、酸っぱいレモンから甘いレモネードを作るように、この厳しい経済状態からよい結果を生み出す、という意味が込められています。
主催は、ビバリーヒルズ弁護士組合。さまざまなセミナーを開催しているようですが、1年で最大の500人近いエンターテインメント弁護士が集まるイベントということで、私も見物がてらクラスメートと参加することを決めました。通常300ドル以上する会費が、大学院生価格の100ドルで参加できます。