「映画ビジネスを学ぶなら、絶対にロサンゼルス」な理由《ハリウッド・フィルムスクール研修記9》

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 ただし、セッションの内容自体は極めて表面的なもの。映画の製作本数が減るなかで、テレビ産業への依存が高まっている現状。そして、米国のテレビ産業を見たときに、視聴率が最も高いのはご存じのとおり「スーパーボウル」。そこで、数年前から彼らはスポーツ選手を顧客にすることに力を入れている、という話題等々。

 期待のわりにがっかりする内容ではありましたが、深い話題には触れられない緊張感が彼らの笑顔の奥にあったのかもしれません。ともかく、記念すべきセッションではありましたので、スライドをバックにクラスメートのグレッグと記念撮影(右)。

その後、参加者全員で学内のレストランへと移動。ランチを取った後、そのままディズニーの会長兼CEO、ロバート・アイガー氏の基調講演へ。

司会者の質問に対して、慎重に言葉を選びながら話す姿は、さすが映画スタジオ、テレビ局、テーマパーク等を抱える3.5兆円企業のトップ。こちらも内容に目新しさはありませんでしたが、ディズニーの会長の顔を拝めただけでも良しとします。

午後は6つの授業から興味があるものを2つ選べる形式になっており、私は「ハリウッドの組合との付き合い方」と「作品の権利取得」に関する授業を選びました。前者は大学院でも学んでいた内容だったので興味深く受講できた一方、後者は専門的過ぎて今の私の知識では残念ながら対応不可でした。

産業の中心地ならではの経験

すべて終了したのは午後5時。エンターテインメント業界のトップに君臨する人々を間近に見て雰囲気を感じられただけでなく、多くの「気づき」や「問題提起」を与えてくれたセミナーでした。100ドルの元は十分に取れた、というのが私の総括です。

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