「複利を10歳で学ぶ米国」と周回遅れの日本の差 日本人の「マネーリテラシー向上」は急務だ
高校でマネー教育を行う州は、18年間で倍以上に
アメリカのマネー教育は、どのくらい進んでいるのでしょうか。アメリカは「実学」を重視することでよく知られていて、お金についても子どものころから「すぐに使える知識」を中心に教えています。
例えば、40年前にアメリカの高校に視察に行ったとき、高校生が小切手の切り方を実習していました。当時のアメリカでは、通信販売の決済に小切手を郵送することがよくあり、店頭での買い物にも使われていました。
授業では、小切手に金額を書くときは“$10”と数字で書くのではなく、"Ten dollars”と文字で書きなさいと指導していました。1を7に書き換えるなど、受け取った人の偽造を防ぐためです。アメリカでは、40年も前から高校でマネー教育が行われていたことになります。
さらに、アメリカのマネー教育は過去20年間で目覚ましい発展を遂げています。2018年のCEE(経済教育協議会)の調査によると、個人のマネー管理について教える「パーソナルファイナンス」を高校で必修とする州は、2000年から2018年の18年間で7州から17州に増えています。しかし、まだ全米の半分に満たないことや、近年では伸び悩んでいることから、さらに推進していく必要があるとされています。
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