茨城ではスタバもかなわない名店の圧倒的魅力 高級豆×独自の仕掛けで大手と違う土俵に立つ

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「サザコーヒー」という個人経営の店(個人店)がある。本店は茨城県ひたちなか市で、茨城県や東京都などに14店ある。コーヒー店開設は半世紀前の1969年という老舗だ。

本拠地のひたちなか市では、同市内に2店あるスターバックスより人気が高い。JR水戸駅では駅ビルの中に双方の店があるが、サザの売り上げは時にスタバをしのぐ。近年のサザコーヒーはメディア露出が増えたが、とくに以下の「ヒト視点」が特徴だ。

(1) 2019年のJBC(バリスタ競技会)「ファイナリスト」6人のうち3人が所属
(2) 世界最高級のコーヒー豆「パナマ・ゲイシャ」を落札し続ける
(3) 参加・限定イベントで、独自の「コトづくり」を仕掛ける
(4) コロンビアで自社農園を20年以上運営、近年は品評会で入賞を果たす

少し補足しよう。(1)のJBC(ジャパンバリスタチャンピオンシップ)で、サザのバリスタ3人(20代と30代)は3年連続で決勝進出者となった。ただし優勝はしていない。

2019年のJBC決勝大会会場に表示されたファイナリスト6人(筆者撮影)

スターバックスのバリスタも2019年に初参戦したが、準決勝進出者に残れなかった。

(2)の「パナマ・ゲイシャ」は、パナマ産・ゲイシャ豆で、語源は豆の発祥地・エチオピアのゲイシャ村から。近年はコンビニも同品種を扱うが、サザの豆とはレベルが違う。こうした高級コーヒー豆を入手できるのも、後述する親子2代にわたる人的交流の成果だ。

(3)でも、国内外の競技会優勝者を含めた業界関係者や来店客と積極的に向き合う。

その象徴が物件を紹介されて運営を始めた(4)だ。個人店が農園まで所有して味を追求する。

半年以上続いた「カンブリア」効果

2019年1月17日、テレビ東京系の経済番組「カンブリア宮殿」に、サザコーヒーの鈴木誉志男会長(創業者)と鈴木太郎副社長(長男)が出演した。個人喫茶店の登場はほとんど例がない。

他県ナンバーのクルマが並んだ、サザコーヒー本店の駐車場(2019年1月28日。筆者撮影)

番組の反響はすごかった。もともと繁盛店の「サザコーヒー本店」には、さらにお客が殺到。1月28日に筆者が取材した際も、他県ナンバーのクルマがズラリと並んでいた。

一方、それまで閑散としていた「サザコーヒーKITTE丸の内店」(東京駅前の商業施設「キッテ」)にも行列ができ、同店の売り上げは一時前年比5倍を記録。勢いは半年以上続いた。

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