年末年始に「婚活」市場が盛り上がる背景事情

1月に結婚相談所の入会者が増加する理由

ではなぜ、年に数度ある大型連休の中で最も盛り上がるのが年末年始なのでしょうか。

大きな理由は、「時間の余裕」でしょう。その時間の使い方はさまざまですが、新年を迎えるにあたり、自分の今後を改めて考える時間をもつ方も多いのではないでしょうか? そういったいつもとは違う時間の過ごし方の中で、帰省し同級生の結婚に触れる、兄弟姉妹の家族に接するといった機会も重なって「そろそろ自分も」と意識が向くのは自然な流れです。

加えて、仕事のある日常では、結婚や出会いへの意欲が湧いたとしても、行動を起こしたり、またその後、活動を継続することへのハードルは上がりがちですが、時間があれば気持ちも前向きになり、ハードルは下がります。

また、前述のとおりマッチングが成立した場合はメッセージ交換へ続きます。お相手が1人ならまだしも、仕事をしながら複数人の方とやり取り……となると少し気後れしてしまいそうです(アプリは複数人と同時のやり取りが可能な場合が多い)。

婚活は自ら前に進もうとする強い意志が何よりも後押しになりますが、その強い意志をもつためには、改めて自分自身を見つめる時間が必要な人が多いですよね。“まとまった休日”“自分と向き合う時間”“家族イベント”といった要素が絡みあって、年末年始に婚活市場が盛り上がるのです。

いまどきの婚活サービス

そもそも、婚活サービスの利用者数増加があります。事実、『婚活実態調査2019』によると、婚活サービスの利用経験者は4人に1人という高い結果も出ています。ここまで多様な婚活手段のなかった過去を思い返してみると、平成30年間の間に状況が変化したことを感じます。では、婚活サービスの利用者増加の要因は何なのでしょうか?

それは、利用者の大半を占める20~30代の価値観やサービスの特性にあります。彼らは、バブル崩壊後に生まれ、幼少期に阪神淡路大震災、大人になってからはリーマンショック、東日本大震災を経験と、不安定な時代を過ごしてきました。また、PCやスマホの登場に代表されるようなデジタル技術の向上も相まって、利便性が加速する時代の中で成長してきました。

その中で養われていった価値観に共通するのは、身の丈や調和を大切にし、合理的な選択をする、という点。また、デジタルネイティブのため、中高生のころからSNSを通じた情報開示や自己表現、仲間探しに抵抗がありません。そんな彼らにとって、婚活サービスを選択することへのハードルは低くなっているようです。さらに、気軽に始められるアプリ・ネット系婚活サービスに親和性が高いようです。

また最近では、結婚相談所が「合理的な手段」として認識され、積極的に選ばれています。高額な入会費や退会料が発生するかと思いきや、結婚相談所にもよりますが、ジムに入会するような感覚で始められる価格設定、システム上から気軽にお相手探しができる仕組みなど、かつての結婚相談所の堅いイメージはありません。

さらに、「独身証明書」によってお相手の独身は保証済みのところがほとんどです。これらの理由から、結婚相談所もアプリと同じように、「結婚がしたい」という目的・ニーズのある20~30代にとっては、最終手段としてではなく自然に選択される手段の1つになっています。

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