セパージュ時代の到来(3)成長:消費者の視点《ワイン片手に経営論》第17回

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■パーカーに対する批判の高まり

 消費者にとっては、ワインを購入する際にとても分かりやすいガイドブックです。「とにかく点数の高いワインを買っておけば安心」という人が出てきます。また、小売店でも、「このワインはパーカーが95点つけたワインです」といった具合に、マーケティングがしやすくなります。そして、実際にそのようなワインが飛ぶように売れるようになったのです。

 点数化によって、あまり知られていなかったワイナリーが市場で注目を集めるということも起き始めました。マーケティングにあまりお金をかけられない小規模なワイナリーにとっては、絶好の媒体になりますし、消費者にとっては質の高いワインの選択肢が広がり有難いことです。

 反対に、たまったものでないのは、それほど高い評価をしてもらえなかったワイナリーです。それまで、ブランド力があり、ワインの売上げが高かったようなワイナリーでも、パーカーから酷評されたワイナリーは数しれません。日本では映画『失楽園』で有名になった一級格付けシャトー「シャトー・マルゴー」もその一つです。1973年のビンテージに関して、「ひどいワイン」だとパーカーは評価し、55点をつけたのです。そのときのコメントは、とても辛辣でした。

 「とても薄っぺらで酸っぱく、香りも味もボケていて退屈だ。下手なワインで、買うべきでない」

 当然、パーカーのやり方に対する批判も出てきます。

 「パーカーが成功したのは、『これはよい』『これは悪い』という決めつけ方をしたからですね。明確な判断を下すんですが、そういう白黒はっきりさせるようなやり方をすると、間違いを犯すことがあるのです」 「パーカーの評価は、一人の人間が下したものでしかないということに、人々が気づくのが大切なのです」 by オーベル・ド・ヴィレーヌ、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ

 「二つのワインがあって、片方が九三点をもらい、もう片方が九二点をもらったような場合、その二種は比較しながら採点されたのだろうか。片方は生産者といっしょに夕食の席で飲み、もう片方はそのあとワイナリーで試飲したといった場合、どちらか一方がもうひとつのワインよりいいと、どうして判断できるのだろうか」 byスチュワート・ヤニガー

 第15回のコラムで、「パリの試飲会」のお話を書きましたが、ここで、またしてもワインを分析して定量化するという科学的発想の評価システムに、ワイン業界が翻弄されるのです。

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