セパージュ時代の到来(3)成長:消費者の視点《ワイン片手に経営論》第17回

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

 次の右のラベルの例ではいかがでしょうか。こちらは、「セパージュ主義」的なラベルの典型です。このラベルの場合、まず何をメモする可能性が高いかというと「ISLA DE MAIPO RESERVA」ですね。これはワイナリーの名前で、一番大きく書かれていて、金の下線が引かれています。しかし、ワイナリーの名前で、ワインを探すのは、先ほどのChateau Poupilleの場合と同じで、再会するのは難しくなります。

 次に、さらにその下の「CABERNET SAUVIGNON」をメモした人はどうなるでしょうか。メモしたものは、ブドウの品種です。このブドウの品種を手がかりにワインを探すと、ほぼどこのお店でもCABERNET SAUVIGNONのワインを見つけることができます。私の近所のお店をチェックしてみますと、すべてのお店にCABERNET SAUVIGNONのワインが置かれていました(当然、メジャーなブドウ品種とマイナーなブドウ品種があるため、レストランで出会ったお気に入りのワインがマイナーな品種である場合は、再会が難しい可能性は否定できません)。

 ここまでの話の設定は、どちらかというとワインの初心者が、偶然出会ったお気に入りのワインとどう再会するかというものでした。ワインの初心者は、そのワインのどこが気に入ったのかについて、あまり明確ではない可能性があります。

 「何を気に入ってそのワインと再会したいのか」という理由は整理しておかなければなりません。もし、「ラベルが気に入った」とか「恋人と飲んだ記念のワインだから気に入った」といったようなことでなければ、「おいしかった」「自分の味覚にあっている」というあたりがそのワインを気に入った理由ではないでしょうか。

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事