セパージュ時代の到来(3)成長:消費者の視点《ワイン片手に経営論》第17回
■ラベルが消費者に伝えるメッセージ
このような理由の場合、実は、「Chateau Poupille」でなければならないとは思っているわけではなく、「Chateau Poupilleのような」ワインが気に入ったということのはずです。「……のようなワイン」を探す時、「地理的に近いところのワイン」を選ぶという方向と、「品種が同じワイン」を選ぶと方向の二つの考え方が出てきます。
一方、二つ目の「品種が同じワインを選ぶ考え方」をすると、メジャーな品種であるシャルドネ、ソーヴィニョン・プラン、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、ピノ・ノワールといったものであれば、ワインをおいているお店であれば、ほぼどこでも入手可能です。味わい・香りという点においても、ほぼ期待の範囲内のものに出会えるはずです。
要するに、消費者にとって、セパージュは圧倒的に分かりやすい。Chateau PoupilleやCote de Castillonというワインに街中の酒屋で出会う確率より、CABERNET SAUVIGNONというブドウ品種のワインと出会える確率のほうが高いわけです。そして、同じブドウ品種のワインであれば、その香りと味わいはほぼ想定範囲内にあるはずです。
このように、消費者からラベルを見た場合、ブドウ品種を確かめることで、自分が飲みたいワインに近いかどうかを判断できるわけです。
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