「新年の目標」が大体達成されない科学的根拠

科学が「意志の力」の存在を否定するわけ

新年に目標を立てても達成することができない原因とは?(写真:タカス/PIXTA)  
新年の誓いを立てたのに、2月になる頃にはすべてが去年と同じ状態に元通り。この現象は世界共通のようで、アメリカ心理学会が毎年行う調査によると、目標を達成できない最大原因としてよく挙げられるのは「意志力の不足」とのこと。
しかし、「意志の強さは目標達成と無関係」と話すのは『FULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略』が邦訳刊行されたアメリカの組織心理学者ベンジャミン・ハーディ氏。人間の行動能力に関する科学研究の最前線を語ります。

「意志力」とは何か

人間には、「自分の人生は自分でコントロールしている」と感じたい本能が備わっている。しかし、近年の科学的考察によって、事実はその真逆であると示されていることをご存じだろうか。

誰もが経験ある「ダイエット」をみてみよう。

世界中でかなり多くの人がやせようと努力を重ねているが、体重はむしろ増加傾向にあり、複数の医療専門家の予測によれば、2025年までに地球上の人口の半数以上が肥満になるという。悲しいことに、一生懸命頑張っている人ほど、体重を減らすのに苦労している。

世界的な肥満の問題は、「遺伝」「性格」「意志の弱さ」「悪習慣」などの説明がつけられているが、肥満が伝染病のように蔓延しているのは、これらが原因ではない。すべて、個人を取り巻く「環境」や「状況」といった外的要素が引き起こしているのだ。

ここで、科学的な「意志力」の定義を確認したい。意志力とは、「内的または外的な障害に反して自由意志を発揮する力」とされ、心理学の研究では「筋肉」のようなものとされている。

つまり、有限なリソースであり、使用とともに消耗していくのが「意志力」であり、骨の折れるような忙しい1日が終わる頃には意志力という筋肉は疲弊し、夜中のつまみ食いをしないよう自分を律する力は残されていないというわけだ。

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