小池百合子「五輪をハコモノで終わらせない」 地域、子ども、長寿を重視した都市作り進める

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――五輪後を見据えた長期計画を策定していますね。

20年後の2040年に向けた計画で、東京の強みや弱みをあらゆる観点から分析した。人口の高齢化は東京でも避けられない問題だ。その中で、「3つのC」に力を入れる。

1つ目はコミュニティ。2019年は自然災害の多い年だった。地域でのつながりが防災に果たす役割は大きい。2つ目はチルドレン。家族で子育てをしやすく、女性も働きやすい環境を整え、合計特殊出生率を2.07まで引き上げる。高い目標を掲げ、人口減少のピークになる前に手を打つ必要がある。

3つ目は長寿。人生100年時代を豊かに生きられる都市づくりをしていく。

東京から世界を変える新しい芽を作る

――経済活性化のためには何が重要になりますか。

小池百合子(こいけ ゆりこ)/1952年生まれ。環境相、総理大臣補佐官、防衛相などを経て2016年東京都知事に就任。

経済発展の新しい芽を作ることだ。東京から世界を変える企業や事業を輩出するため、スタートアップ企業支援を強化している。

具体的には起業のワンストップセンターの設置、新ビジネス発掘のコンテストである「TOKYO STARTUP  GATEWAY」の開催などだ。実際に、創薬が盛んな日本橋周辺では、創薬ベンチャーを支援するプログラムを都が主催したことで、新たな企業同士の交流が進んでいる。

また国際金融都市としての発展も目指す。海外からのビジネスパーソンが安心して働ける多言語の医療サービスの提供や、インターナショナルスクールの設置にも注力する。五輪のレガシーである5Gの普及により、遠隔での治療や教育も可能になろう。競争力とインフラ整備で世界からの注目度を高めたい。

『週刊東洋経済』12月28日・1月4日合併号(12月23 日発売)の特集は「2020大予測」です。
辻 麻梨子 ジャーナリスト

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つじ・まりこ / Mariko Tsuji

1996年生まれ。早稲田大学卒。非営利の報道機関「Tansa」で活動。現在はネット上で性的な画像が取引される被害についてシリーズ「誰が私を拡散したのか」を執筆している。

 

 

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