小池百合子「五輪をハコモノで終わらせない」 地域、子ども、長寿を重視した都市作り進める

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東京都知事の小池百合子氏(撮影:尾形文繁)
東京五輪をいかに次なる都市設計につなげるのか。小池百合子都知事が強調するのが、持続的な成長と成熟の道のりである。
『週刊東洋経済』12月23 日発売号の「2020大予測」では、経営トップ64人を含む計85人の注目パーソンにインタビュー。その中で、五輪に向けた準備の手ごたえと、五輪後の東京のシナリオについて小池都知事が語ったインタビューをお届けする。

暑さ対策は五輪の挑戦の一つ

――2019年はテスト大会を通して、五輪の課題が見えました。

暑さ対策は、東京五輪の挑戦の一つだ。パラリンピックのマラソン競技は、当初の予定どおり東京のコースで実施される。街路樹を刈り込まず日陰を作り、給水所の設置などを徹底するほか、医師や看護師で構成される救急医療の専門チーム「DMAT(災害派遣医療チーム)」を会場付近に待機させる。ハイテクからアナログまで合わせ技の対策を講じていく。

――大会期間中の交通混雑も懸念されています。

経済活動を停滞させないことが重要だ。企業に対し、テレワークや時差出勤を組み合わせた柔軟な働き方を促している。また、交通渋滞には、昼と夜で高速道路の利用料金を変え、大会時の混雑予測情報を提供するなど、交通需要をマネジメントすることで対応する。

これらを「スムーズビズ」と名付け、五輪後に残る新しいワークスタイルとしてもレガシーにしていきたい。

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――都市型五輪では、2012年のロンドン大会が成功を収めました。

ロンドン五輪は地域の活性化をもたらし、テレワークで交通混雑も解消した。五輪後も観光客が増え続けるなど、さまざまな好影響をもたらしている。

東京五輪もハコモノ投資で終わらせず、後利用まで考えた施設設計などを通して、持続可能なイベントにしたい。ロンドンではパラ競技にも多くの注目が集まった。東京も五輪を契機に、多様な価値を受け入れる成熟した都市を目指す。

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