プログラミングを楽々習得する子の学びのコツ 数学嫌い=プログラミングも苦手は間違いだ

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算数の授業などでは、解答が合っていても解き方で不正解にするような理不尽なことがまかり通っています。少なくともこれはプログラミングでは絶対にあってはいけないことです。プログラミングには正解が複数あります。

算数で言うなら「『○+□=5』の式を満たすように○と□を埋めよ」という問題と一緒です。どちらが「いい答えか?」ということではなく、どちらも正解なのです。プログラミングは、問題が複雑になればなるほど正解の種類は増えます。プログラミングの世界では与えられた条件を満たすことが至上命題であって、それを実現する方法に正解はないと言ってもいいくらいです。

逆に言うと、「プログラミングは創造力が求められる世界である」ということです。「こんなことがしたい(もしくは、しなくてはいけない)。じゃあ、どうやってそれをプログラムで実現できるだろうか?」と考えることにプログラミングの面白さがあります。

大人が留意すること

こうしたプログラミングのおもしろさを子どもたちに学んでもらうために、大人は次のことに留意してください。

①子どもが書いたプログラムが問題の条件を満たしていれば、100点満点の正解とする
②大人が考えたプログラムを「模範解答」の扱いにしない。「他にもこんな方法もあるね」くらいの扱いにする
③子どもが正解したら、「他にはどんなやり方があるかな?」とたずね、新たにプログラムを書いてもらう

なお、プログラミングの世界は非常に自由度が高いものですが、決められた制約については1ミリも外れてはいけない厳格性が求められる世界でもあります。

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問題で与えられた条件を満たすことは、もちろん大前提としてあります。

ただ、それだけではなく、プログラムを書くときの制約も守らないといけません。制約の中でプログラムを書くのも思考訓練の一環ですから、そこは大人がしっかりコントロールしたいところです。

いかがでしたか? 2020年4月から必修化される「プログラミング教育」で、わが子にプログラミング的思考を身に付けてもらうために、親として知っておきたいことを、ざっとまとめました。新著も参考にしてみてください。

飛坐 賢一 プログラぶっく代表取締役CTO

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ひざ けんいち / Kenichi Hiza

ファミコンの時代からゲーム制作会社でプログラマー・ディレクターとして数多くの有名タイトルのゲームをリリース。独立後はゲーム開発のみならず、デジタルとリアルをつないだ、アニメ関係のイベント運営やキャンペーン立ち上げなど行う。2016年末より、低年齢向けゲームを数多く制作した経験をもとにCOOの大木章とともに「プログラぶっく」の開発をスタート。また現在は、クラーク国際記念高校にてゲームプログラミングの講師としてプログラミング教育の現場にも立っている。

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