意外だが、そもそも内定辞退率データの提供の何が問題だったのかがわからないという就活生もいる。
「情報漏洩は問題だがとくに重要な情報とは感じないから」(山口大学・理系)
「別段何も気にならないから」(東京工業大学大学院・理系)
「正直何が問題だったのかわからないから」(立命館大学・文系)
さらには、リクナビに限ったことではないのではないかと考える就活生も。
「リクナビの件がたまたま表に出ただけであり、裏ではどのサイトでも行われていると考えているから」(岡山大学大学院・理系)
「どうせ個人情報は漏れているものだと前から思っていた。他のサイトも漏れていると思っている」(九州大学・文系)
問題となったのは2019年卒と2020年卒の学生データであり、自分たちが被害に遭ったわけではない、あるいは、問題を起こしたからこそ、自分たちを対象としたサービスにおいて同じことを繰り返すことはありえないと考えている就活生も多い。
「自分の就活にはあまり関係ないと思うから」(横浜国立大学・文系)
「逆に、今はなにもしてないと思われるので、信用できる」(関西大学・理系)
「問題が発覚した今だからこそ、逆にリスク管理が一番高い状態にあると考えるから」(上智大学・文系)
企業に「理解」の声も
中には企業側の立場を理解する声もある。
「就職側からの意見としては、不利になるかもしれないので、辞退率を勝手に見せられていたのは困る。しかし、企業側として考えると、目安として知ることは大切だとは思う。選考に関係づけるのではないと割り切って使うならいいと思う」(成城大学・文系)
大学キャリアセンターは、リクナビの一方のユーザーである学生の利益を顧みることなく、もう一方のユーザーであるスポンサー企業にばかり目を向けた、営利に走りすぎたリクルートキャリアの企業姿勢自体に「ノー」を突きつけたわけだが、利用する就活生は「企業」ではなく、あくまでも「サービス」としてしか見ていないように感じる。
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