東大入試が「知識ではなく発想力」を求めるワケ ずっと「AIに負けない力」が問われ続けてきた
AIに勝てるポイントで、東大がずっと入試問題で問い続けている能力とは何か。
先に答えを述べてしまうならば、それは「アイデアを出す能力」=「発想力」です。人間は「発想力」において、AIにはない優位性を持っています。
僕らより何倍も知識があるAIも、その知識の「生かし方」や知識を発展させてアイデアを出すことに関しては人間に劣るのです。
例えばニュートンは、りんごが木から落ちるのを見て、「なぜりんごが木から落ちるのだろうか? これはひょっとすると引力というものが存在するのかもしれない」と発想したと言われています。
AIも「りんごが木から落ちた」と認識し、その事象を暗記することはできるわけですが、しかしそこから「引力」という違う概念を考えることなんてできないわけです。
「知識と知識をつなげて、そこから新しい発想を作る」ということは、人間にしかできないのです。
東大入試、「知識と知識をつなげる力」を問う問題
そしてそれをわかっているからこそ、東大は以前から知識量を問う問題ではなく、知識を活用して発想力を問う問題を出題していました。
例えば、以前東大ではこんな問題が出題されました。
いかがでしょうか? この回答は難しいものではありません。
日本の気候が偏西風によって西から東へと移り変わっていること、夕焼けは西の空が晴れている状態のことで、朝焼けは東の空が晴れている状態のことを指すと知っていれば、誰でも回答が作れます。そしてそれらの知識はきちんと教科書に書いてあります。
しかし、多くの学生はこの問題で「夕焼けが晴れで朝焼けが雨な理由なんて、教科書に書いてなかった」といって、回答が作れなかったのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら