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東大入試が「知識ではなく発想力」を求めるワケ ずっと「AIに負けない力」が問われ続けてきた

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この問題を解けるようになるための条件、つまり発想力を身に付けるためには2つのことが必要になってきます。

「発想力」の基礎になる力1:知識量

1つは、知識の暗記です。アイデアというと、なんとなく先天的な才能によってのみできるようになるものだと考えがちですが、実はそうでもありません。

アイデアとは「知識の応用」によって生まれるもの。何も勉強しておらず、知識量がゼロの状態で「何かアイデアを生み出そう」と考えても不可能です。だから、まずは「偏西風」「夕焼け」「朝焼け」のような知識を蓄えておく必要があるのです。

多くの人が、この点を勘違いして、「思考力が必要なのであれば、知識量はいらないんだ」とか「勉強しなくてもアイデアは生み出せる」と考えているのですが、それは大きな間違いです。勉強して知識量を一定の水準まであげないと、発想力は身に付かないのです。

「発想力」の基礎になる力2:知識の応用力

もう1つは、知識の応用力です。

これは一定の知識量を得たうえで、それをつなげたり、深く理解することによって生まれるものです。頑張って知識を暗記して、「偏西風」「夕焼け」「朝焼け」をわかっていたとしても、この問題と有機的につなげることができない生徒の数は非常に多いです。

「発想力」を高める2つの訓練方法

ではどうすれば、知識を応用できるようになるのか? これにも、2つの方法論があります。

「発想力」の訓練方法1:つなげる訓練

1つは、「つなげる訓練」をすることです。

偏西風の勉強をしているときに、ふと空を見上げて「ああ、今日も西から東に風が流れている。これが偏西風の影響なんだな」と考えたことのある生徒なら、先ほどの問題の正解率はグッと上がります。そんな風に、暗記した知識を日常の体験とつなげるようにすればいいのです。

今勉強していることが、世の中のどのような場面で使われるものなのか。世の中に応用されるとどうなるのか。そういうことを普段から考えていると、新しい知識を得るときにも「ああ、こことつながるんじゃないか」と、既存の知識・経験と関連づけることができるはずです。

「学校の勉強は社会に出てから役に立たない!」とよく言いますが、社会に出てからまったく役に立たない分野なのであれば、それはもうとっくの昔に教科書から消されているはずです。絶対、何らかの意味はあるはずです。

日本史を学べば日本のことがより深く理解できるようになる。数学を勉強すれば経済や物理法則がよく理解できるようになる。逆に言えば、「社会に出てから役に立たない」勉強を続けていると、発想力を上げることはできないのです。つねに知識が生かせるタイミングを探し続けてみましょう。

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【日常の中の「なぜ?」を深掘りする】

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