新人を潰す上司は叱り方の本質をわかってない ほめるためには日ごろから観察が不可欠だ
「叱る人デビュー」のチャンスとしては、新人がミスをしてしまったときや、月初や新年の仕事始めなどのタイミングが考えられる。例えば新人がミスしたときには、このように伝えればいいというのだ。
つまり「叱る人デビュー」に必要なポイントは、自分の素直な気持ちを表に出すこと。部下の失敗も、1つのチャンスとして活用できるわけである。
「知識」「行動」「スタンス」に分ける
怒るという行動は基本的に、自分の知恵のなさを認めるようなものだと島村氏は指摘している。とはいえ新人の成果が思うように上がらないため、「どうしでできないんだ!」と怒鳴りたくなることも現実的にはあるだろう。
しかし、「怒鳴る」「怒る」と「叱る」は別もの。新人がミスをしたり、なにか問題が起きたりしたとき、感情的にならず、いかに適切に「叱る」指導できるかが指導者にとって重要だということだ。
なお「適切に叱る」際には、次の3つの視点から、新人のミスや問題の原因を探ってみるべきだと島村氏は言う。
1. 知識が足りないのか
2. 行動が足りないのか
3. 仕事に対するスタンスが足りないのか
新人とのコミュニケーションを通じ、「この新人は知識が足りないから苦しんでいるのか」「それとも行動に移せていないことが原因なのか」「そもそも仕事と向き合うスタンスがなっていないのか」を意識して観察すべきだというのである。
それでも、真の原因がどこなのかを判断するのが難しい場合もあるだろう。そんなときには、本人に質問をしてもいいそうだ。例えば進捗が滞っているとか、目標に届いていない理由について、「何が原因でそうなっているんだっけ?」と軽く聞いてみる。すると、相手はそれなりの回答をするはず。
「○○がよくわからないんです」なら、単純に知識が足りないということ。
「集計に時間がかかってしまって」というなら、パソコンのスキルが足りないことが考えられる。
「怒られるのが怖くて、新規の飛び込み営業ができません」という答えなら、予想できるのは行動不足。
「景気もよくないですから……」「今回は、お客様の対応もよくなかったんです」などと言い訳ばかりしているのであれば、仕事に対するスタンスがなっていないということになるわけだ。
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