新人を潰す上司は叱り方の本質をわかってない

ほめるためには日ごろから観察が不可欠だ

「叱る人デビュー」のチャンスとしては、新人がミスをしてしまったときや、月初や新年の仕事始めなどのタイミングが考えられる。例えば新人がミスしたときには、このように伝えればいいというのだ。

「今回のあなたのミスは私があなたを叱るべきタイミングで叱れなかったことも要因のひとつだと考えています。今後は、あなたの成長を願って、叱るべきときはその場ですぐに叱りますね」(166ページより)

つまり「叱る人デビュー」に必要なポイントは、自分の素直な気持ちを表に出すこと。部下の失敗も、1つのチャンスとして活用できるわけである。

「知識」「行動」「スタンス」に分ける

怒るという行動は基本的に、自分の知恵のなさを認めるようなものだと島村氏は指摘している。とはいえ新人の成果が思うように上がらないため、「どうしでできないんだ!」と怒鳴りたくなることも現実的にはあるだろう。

しかし、「怒鳴る」「怒る」と「叱る」は別もの。新人がミスをしたり、なにか問題が起きたりしたとき、感情的にならず、いかに適切に「叱る」指導できるかが指導者にとって重要だということだ。

なお「適切に叱る」際には、次の3つの視点から、新人のミスや問題の原因を探ってみるべきだと島村氏は言う。

叱るときの目線
1. 知識が足りないのか
2. 行動が足りないのか
3. 仕事に対するスタンスが足りないのか
(169ページより)

新人とのコミュニケーションを通じ、「この新人は知識が足りないから苦しんでいるのか」「それとも行動に移せていないことが原因なのか」「そもそも仕事と向き合うスタンスがなっていないのか」を意識して観察すべきだというのである。

それでも、真の原因がどこなのかを判断するのが難しい場合もあるだろう。そんなときには、本人に質問をしてもいいそうだ。例えば進捗が滞っているとか、目標に届いていない理由について、「何が原因でそうなっているんだっけ?」と軽く聞いてみる。すると、相手はそれなりの回答をするはず。

「○○がよくわからないんです」なら、単純に知識が足りないということ。

「集計に時間がかかってしまって」というなら、パソコンのスキルが足りないことが考えられる。

「怒られるのが怖くて、新規の飛び込み営業ができません」という答えなら、予想できるのは行動不足。

「景気もよくないですから……」「今回は、お客様の対応もよくなかったんです」などと言い訳ばかりしているのであれば、仕事に対するスタンスがなっていないということになるわけだ。

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