19世紀「機械は思考できるか」問うた1人の女性 コンピュータは文系と理系の交差点で誕生
3、アルゴリズムの概念
エイダが残した第3の功績は、われわれが今現在「コンピュータプログラム」あるいは「アルゴリズム」と呼んでいる仕組みを段階的に詳しく解き明かしたことだ。彼女が後世、その信奉者から「世界初のプログラマー」と称されるようになるのは、ベルヌーイ数を生成する複雑な工程を伴う図を作成したことによるところが大きい。
4、「機械は思考できるか?」という概念
エイダが残した4つ目の概念は人工知能という命題、「機械は思考できるか?」という問いかけである。彼女の考えは「できない」だった。機械は、指示されたとおりに演算を実行できる。だが、それ自体の考えや意思を持つことはできないというのが彼女の主張なのだ。解析機械は、「実行手順を人間が指示できることであればなんでも実行できるし、どんな解析命令にも従える。だが、解析にもとづく関係や真実を予測する能力はない」
機械と人が織りなす美しいタペストリー
エイダ・ラブレスはコンピュータの先駆者としてあがめられることになる。米国防総省が、開発したオブジェクト指向の高級言語に「Ada」と名付けたのも、その一例である。
機械が人の想像力のよきパートナーとなり、ジャカード織機が織りなすような美しいタペストリーをつくりだす─―そんな未来を、彼女ははっきり思い描いていた。
詩的科学の真価を理解していたからこそ、同時代の科学界に見向きもされなかった計算機械という考えをエイダは正しく評価することができたし、その機械の処理能力はあらゆる種類の情報に利用できるという認識にまでいたることができたのだ。そして、ラブレス伯爵夫人エイダがまいた種は、100年後に訪れるデジタル時代に花開くのである。
デジタル時代からAI時代に足を踏み入れつつある私たちに、彼女は大きなヒントを与えてくれる。
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