日本人の消費変える「定額制」の知られざる進化 デジタル系だけでなくアナログの世界でも
●エースコンタクト(1800円、税別)……1日使い切りのコンタクトレンズの定額制サービス。不用品など無料で取り替え可能。
<飲食系サブスクリプション>
●ALPHA BETA COFFEE CLUB(月額9000円)……東京自由が丘にあるカフェのコーヒーが1日1杯無料で飲めるサービス。1杯500円相当のコーヒー。
●野郎ラーメン生活(月額8600円、税別、以下同)……1日1杯無料で食べられるサービス。1カ月に12杯食べれば元が取れると言われる。
●ダイソン(月額1000円~)……ユニークな家電として知られるダイソンの製品を月額1000円から使用してみることができる。1カ月で解約してそのまま購入するという方法も可能。
●バルミューダ(月額500円)……電気ケトルの「BALMUDA The Pot」を24カ月間、新品の商品を利用できるほか、12種類の製品が使用できるサービスもあり。
●パナソニック……安心バリュープラン、有機ELのテレビなどが3年とか5年の期間で定額課金で使える。
モノがあふれている現在、所有するという概念がなくなり、好きな時に好きなものを好きなだけ使ってまた取り換える。そんな時代がやってきている、というわけだ。しかしながら、サブスクにはそれを提供する企業側にもリスクが大きい。すぐに収益は上がらないし、つねに新しい商品やサービスを消費者に提供していかなければすぐに飽きられてしまう。そういう意味では極めて厳しいビジネスの形態とも言える。
実際に、スーツの製造販売を行っているAOKIが始めたスーツのレンタルサービス「スーツボックス」は、コーディネートしたスーツやシャツ、ネクタイのセットを定額でレンタルできる男性向けサービスだが、開始半年で撤退してしまった。当初20代から30代の利用客を見込んでいたのが、実際にサブスクを始めてみたら40代の利用客が多く、AOKIのメイン顧客である40代が購入を控えてしまう結果を恐れたと言われる。
そういう意味では、アナログ系サブスクリプションはリスクが大きいと言っていいのかもしれない。
5年後には大半のビジネスがサブスク参入か?
サブスクで注目したいのは新しい「マーケティング」の結果として生まれたシステムであることだ。これまでの常識的なビジネスで言えば、売ってしまえばそれで終わり。その後、ユーザーが継続して使ってくれるかどうかは二の次。そもそも社内でも担当する部署が異なる。「買ってもらう」のではなく「使ってもらう」ところからスタートして利益を出していこう、というビジネスがサブスクだ。
そしてもう1つ注目したいのが、デジタル系サブスクとして進化してきたことだ。デジタル系ビジネスであるために、1人の顧客も、1万人の顧客も、10万人の顧客も、ある意味で提供するコストは同じと言っていい。サブスクが発展した理由がそこにあるのかもしれない。
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