日本人の消費変える「定額制」の知られざる進化

デジタル系だけでなくアナログの世界でも

いずれにしても、サブスクはそれを買い切らないという視点で消費者にとってリスクは少ない。簡単に言えば嫌になったら止めれば済むことだ。言い換えれば、提供する業者には大きなリスクがあると言っていい。とりわけアナログ系サブスクはデジタル化をどう進化させるのか。加えていかに契約継続できるかが最大の課題になる。

サブスクは社会のデジタル化のバロメーター?

さて問題は、サブスクがかつて他の中小の小売業を一掃して、独り勝ちを収めたスーパーマーケットやコンビニのような存在になれるかどうかだ。IT業界には、トップ企業が独り勝ちして総取りする傾向があることは知られているが、例えばAmazonは単なる通販業者だが世界を席巻した。その背景にはPCやスマホによるところが大きい。どんな商品でもAmazonのサイトに行けば探すことができ、しかも確実に配達してもらえる。

テレビショッピングで衝動買いすることもないし、自分のニーズに合ったものだけを選択して購入できる。つまり、Amazonも技術革新によって誕生したデジタル化されたビジネスと言っていい。そう考えると、第4次産業革命と言われるIT化の中で、あながち5年以内に大半のビジネスがサブスクの選択肢を提供することになる、という予想も納得できる。

ちなみに、最近は「B2C」のサブスクばかりが目立つが、今後は「B2B」のサブスクも本格化しそうだ。法人向けクラウドソフトの「アルプ」は、サブスクの管理ソフトを開発。サブスクの価格設定や契約管理、請求書発送といった業務を一元管理できるシステムだ。サブスクを管理代行する業者も現れるはずだ。

サブスク第一号のAdobeの業績は、現在17四半期連続で売上高が前年同期比20%以上を記録。B2Bビジネスにも乗り出しており、デジタル関連会社のM&Aを進めている。

アナログ系サブスクがどこまで進化するのかはわからないが、毎月定額課金で食費や水道光熱費、衣服や住居といった最低限必要なものが、すべてサブスクで支配される時代が来るかもしれない。サブスクの進化は、世の中のデジタル革命の度合いを測るバロメーターと言ってよい。

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