中野 結局、昨年の11月前後と同じ水準に戻っただけですからね。年末にかけて大きく上昇したことの揺り戻し程度だと見ています。
今は、上がりすぎたマーケットの調整局面
渋澤 でも、この先、日経平均株価がもう一度1万6000円を抜くためには、何が必要なのだろう。
中野 私は今、けっこうポジティブですよ。正直、今のマーケットって、すごくいい加減だと思いません? FRBのイエレン新議長の発言にしても、市場参加者が、それぞれ自分たちにとって都合のよい解釈をしているのでは? テーパリング(量的緩和縮小)を継続することを示唆した発言に対して、新興国の株価が上昇するなどというのは、まさにその典型例でしょう。
今までだったら、米国がテーパリングを継続するなら、リスクオフで新興国の通貨は下がり、株価も下がるはずです。要するに、マーケットのマインドがどう動くかによって、相場が揺らいでいるだけなのですよ。
だって、新興国通貨の下落リスクに関しても、最近になってにわかに浮上した問題ではなく、かれこれ1年くらい言われ続けていることじゃないですか。それがたまたまクローズアップされただけのことでしょう。それに、アルゼンチンの経済危機が言われていますが、アルゼンチン経済の規模はギリシャよりも小さいわけで、仮にアルゼンチンが再びデフォルトしたとしても、その影響は軽微です。
渋澤 でも、何かなければ1万6000円を超えることはないでしょう。藤野さんはちょっと弱気?
藤野 マーケットに負のエネルギーがたまっていて、それが2月に入ってからの株安につながったのだと思います。だから、雪崩みたいなものですね。僕自身の見方は、弱気ということでもなくて、まあ、「単なる調整」だと思っています。昨年11月、12月にかけての上昇スピードが速すぎましたからね。だから、「ひふみ投信」もキャッシュ比率は低いままでした。なぜ、そんなに強気なんですかと聞かれたりもしましたが、この下げ自体は短期間で終わると思っていますし、そこでドタバタ売買をしても仕方がないと考えています。あまり心配はしていません。
渋澤 一部の国内の機関投資家はだいぶ売ったと聞いています。
藤野 その一方で、1月に入ってからの個人買いは、過去最高のペースでしたね。あと、外国人投資家は売り越していた。
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